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革靴は音で選ぶ

オムニバス映画『オトギネマ』の一編「桃太郎殺人事件」でこだわったことのひとつが最後に雉山刑事を追う葉子の足音だった。

刑事が去っていく。
カメラを追うように刑事が歩く。その背中越しに葉子が現れ「待って!」と叫ぶ。この時、葉子が現れる前からカラカラを足音がだんだんと近づいてくるさまを演出して、葉子が追いかけてきたことを観客に示したかった。

そこで、丁度よい音が鳴るサンダルを随分探した。音だけ後でハメるのではなく、ビジュアルも含めて本物の音が鳴るサンダルを用意したかった。

そうなるとソールはゴムでなく木だ。木のサンダル。結局メルカリで見た目と音がバッチリと合う中古のサンダルを買ったのだが、それは抜群に良い音だった。

靴音。見た目と同じくらい靴音は普段からこだわってしまう。
草履や下駄はもちろんのこと、良い音の鳴る革靴を履いて歩いているとそれだけで心が高揚してくる。

ちなみに今のお気に入りは、日本の「PADRONE|パドローネ」という名のブランドの靴。硬い道を歩くとコツコツと高い音のなるのだが、実に心地よいのだ。


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