わかり合えなくても終わりじゃない

12/1にリリースされた、日本の移民文化・移民事情の発信をコンセプトにしたウェブマガジン「ニッポン複雑紀行」。
https://www.refugee.or.jp/fukuzatsu/

仕事を通じてパートナーシップを築かせていただいているというのもあるが、個人的にも注目している難民支援協会さんが運営し、株式会社コモンセンス 代表の望月優大さんが編集長を務められているということもあって、このウェブマガジンが始まることを知ってとても楽しみにしていた。

企画コンセプト・趣旨は、"ニッポンは複雑だ。複雑でいいし、複雑なほうがもっといい。"

これを読んだ時、なぜかとってもスッキリした。と同時に思い出したのが、カナダで出会った人たち。私はカナダでのワーキングホリデー中、ケベックシティに4ヶ月住んでいて、その時通っていたのが、移民の人たちが通うフランス語学校。そこで出会ったのは、メキシコ、モロッコ、ルワンダ、ソマリア、ルーマニアから来た人たち。共通言語がフランス語しかないので(ほとんどみんな母国語ではなく勉強中なのですが)、仲良くなりたくて話がしたくて必死で勉強して、拙いながらも会話ができるようになって知った1人1人の背景は、今まで身近で聞いたことのない話。

その時私はケベックの家庭も体験したくてホームステイをしていたのだが、移民として自立を目指す友達の1人には、どうしてもそれが理解できなかったらしく「希、1人で暮らさなくちゃだめだ」となぜか雨の降る夜、長時間説得された。どう説明しても、私の意図が伝わらなかった。それまで「説明しても理解されない」という経験をほぼしたことがなかった私には衝撃の出来事。批判ではなく「話しても伝わらないことってあるんだ」と。それでもその彼との友情は続いて「理解できないことがあっても友情は続くんだ」ということも知った。わかり合えなくても終わりじゃない。そう、終わりじゃないんだ。「複雑でいいし、複雑な方がもっといい」は、私にとって「わかり合えなくてもいいし、わかり合えなくても築ける関係性なんてもっといい」と似ているのかもしれない。




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