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2017年6月22日、兄が死んだ。気づいたら7年もの月日が経っていて、わたしは彼の死んだ歳に追いついた。そろそろ、あの日を思い出してみてもいいんじゃないか。そう思えるようになってきた。お盆の力を借りて、書いてみたいと思う。 わたしの兄は、大きな志と書いて大志という。名前は力強いんだけど、160センチぐらいしかないし、肌が真っ白で童顔で、目を細めてフニャッと笑うすごく可愛いひとだった。 夏は暑い暑いと口いっぱいに氷を頬張って出かけて、冬は紺色のもこもこのダウンを着込んで首を
お兄ちゃんが誕生日プレゼントをくれる夢を見た。 4月27日、誕生日の夜にそんな夢を見るなんて、つくづく都合の良い脳みそだと思う。 死んだはずの兄がプレゼントをくれる夢お兄ちゃんが実家に帰ってきて、居間でちょっぴり気まずそうに「あのさ、」と声をかけられる。変わんないなあ、と思う。いつものあのリュックから、ガサガサとなにかを取り出して手渡してくれる。