【2018.5.5の再掲】ウイスパーと生理ちゃん
※このコラムは2018.5.5に投稿したものの再掲です。
毎回楽しみにしているオンラインコミック「生理ちゃん」。
https://omocoro.jp/kiji/138395/
男性作家さんが書いておられることに、最初はとても驚いたのですが、ゆえのやさしさがたくさんつまった素敵なストーリー。
不定期更新なので、いつかいつかと待つのですが(高野文子さんといい、吉田秋生さんといい、寡作な作家さんばかり好きになってしまうな…)。
先日最新話(9)を読んだのと時同じくして、かつての機能性の高い生理用品のさきがけといっても言い過ぎではないでしょう、「ウイスパー」が販売終了(市場撤退)というニュースを目にしました。
40代、50代の女性なら共感していただけるかと思うのですが、1970年をまたいでうまれたわたくしたちの中で、ウイスパーという生理用品は、なんせ驚くほど薄く、そのくせたくさん吸収し、ずれにくく、もれにくく、夜も安心…という女性のお悩みを一気に解決してくれた画期的な商品でした。
わたしが初潮の時からしばらく母に手渡されて使っていたのは、今もわずかに売られているポリマー無しコットンパットでしたもので…。
初潮当初の若さゆえの量の過多や、文系女子でさほどアクティブでないわたしでも体育などの学校生活の中ではなかなか月経期間というのは緊張感をともなうものでした。
ですので、後続として国内メーカーからたくさんの改良品が出され、羽根つき羽根なし、後ろは長く、更に薄く…と、いろいろ試してみるのも当時は楽しみでした。
当院では、女性の施術者として整体を始めるなか、女性の身体の不調、なかでも月経にまつわるマイナートラブルという問題に突き当たり、まだ当時は今ほどは身体の不調の解決策として考えられることは少なかった冷えのことを通じてヨサをはじめ、追ってブラジリアンワックスの施術、併せて、わたし自身冷え取りからのつながりでかねてより愛用していた布なぷきんのお取扱いを始めた経緯があります。
一時は布なぷきんの良さをわかっていただきたいあまり、一般的な生理用品のケミカルな部分のいまだはっきりしない副作用に焦点を当てすぎたこともありました。
しかしながら、女性の身体にもいろいろ事情があります。
布なぷきんを妄信するがゆえに、検査のタイミングをのがして結局入院してしまわれた方との出会いであったり、おおきな筋腫と大量の経血、年齢、体調とのあんばいのなか、「切るか、閉経まで待つか」というところで日々現実問題として心身ともに苦しんでおられる方に、無邪気に布なぷきんの良さ、というお話はその人のせつなるお悩みにとっては非常に的外れなものであるなあとお話をしながら思ったり…、発信者としての立ち位置になやむ時期がありました。
市販のナプキンは、わたくしたちにもたらしてくれた自由(大枠でいえば、女性の社会進出の大きなあとおしとして)、そして、メーカー側はいまも「女性の月経期間をより快適に」と願うがゆえの改良はつづいています(と、わたしは信じています。ナチュラルやアンチケミカルな方が陥りがちな陰謀説こそ思考を通じてからだに毒だなあと考えます。)
ですので、悪役にすることなく…善悪ではなく…。
それでも、からだをいたわる、いとおしむひとつの「選択」として、布なぷきんがあること、使うことを通じて、心身のすこやかさをもたらす可能性があることはかわらずお伝えしていけたらいいなと願っています。
特に、わたしもぼちぼち足を踏み入れつつあるな、という更年期の方に。
排卵や月経がおこるメカニズムは、脳と卵巣が担っています。
(実はそのメカニズムに子宮はあまりかかわっていません)
いろいろしんどい更年期というのは、いわば脳と卵巣のやり取りがうまくいかず、そのとばっちりをからだがもろに引き受けている状態。
そんなときだからこそ、脳のサブシステムである皮膚・肌が心地よい状態で居る、という選択のひとつとして布なぷきんがあります。
人生の永くを、つらいことも楽しいことも一緒にすごした月経と、けんか別れのように終わらせるのはもったいない。(し、なんかさみしい)
「経血量が減りゆくなかで」というのも逆にいえば高かったハードルのひとつをからだが下げてくれているような状態。
始めることができそうな理由のひとつ、に置き換えることができるかも。
心地よくいる、という一つの方法として、また、いっしょに考えていきたいなと思っています。
当院でお取扱いしています、益久染織研究所さんの布なぷ初めてさんへのメッセージ。
ぜひお読みください。
http://www.mashisa.com/shopbrand/nunonapu
(スマホからでショップページしか表示されない方は、最下部までスクロールしてPC画面を表示し、「初めての方へ」というコラムをお読みください。
ほんとに、作り手さんとしてのこの中立した目線、ゆるぎなくおだやかなスタンスが大好きで、安心してご紹介できます。
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