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きょうだい

今年、おばあちゃんが二人とも死んでしまった。
母方のおばあちゃんのお葬式に、火葬場で火の中におばあちゃんが入る寸前、目の前にいた叔母が母の腕を掴んで「残された者同士、仲良くやりましょうね」と泣きながら言った。母は「いきなり何なの」と戸惑って、私はシュール過ぎて思わず笑ってしまったのだけど、時間が経てば経つほどその言葉がじわじわ来ている。
実家で一緒に暮らしていた父方のおばあちゃんは、92歳になるまで大きな病気をすることがなかった。亡くなる1ヶ月前に入院すると、だんだん何を言っているのかわからなくなってしまったけれど、最後聞き取れる声で話してくれた言葉は「きょうだい、仲良くな」だった。私は三姉妹、父は伯母とふたり、母は伯父と叔母で三人。
父方のおばあちゃんのお葬式の前日、久しぶりに家族全員で、父がマメにつくっていたアルバムを見返した。ひとつの家で暮らしていると、やっぱりいいときばかりじゃなくて大変で苦しかったことが、たくさんあったけれど、おばあちゃんたちの最期のメッセージが、兄妹姉妹についてだったということ。一緒に暮らしていたときは仲良くなかったけれど、今はそれぞれを尊重出来るようになった気がしてる。三姉妹、大切にしていこう。

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