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落星物語エピソード集

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ある一晩に見た夢をもとに、たくさんの妄想とも記憶とも言えるエピソードをメモした内容です。夢が元なので、整合性はないでしょうけれど。
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2021年9月の記事一覧

丞相という男

丞相という男

丞相。人は彼の地位をまず口にする。

いや、私はそのような大層な男ではない。
私はただの、商家の倅だ。

丞相は、ふうとため息をつきながら、夜の都大路を走る馬車の中で、腕組みをする。

彼の名は秀弓。かつては公商として苗字をも国に認められた徐家の三男で、徐紫芳と名乗っていた。

名が変わったのは、10年以上前になる。

秀弓は、富裕な商家の三男であったから、自由気ままに暮らすことはできたが、家督を

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