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三浦大知の新曲『片隅』レビュー! 注目したい3つのポイント

三浦大知の新曲『片隅 / Coner』語りたい! 3つのポイントに注目

日本が誇るダンスボーカリスト・三浦大知が、25枚目の新曲『片隅 / Coner』を6月12日(水)にリリース。
『片隅』は日本テレビ系新水曜ドラマ『白衣の戦士!』の挿入歌として起用され、さらにモデル・作曲家として活躍するKōki,が作曲したことでも話題を呼んでいる。

シングルとしては16枚目の『ふれあうだけで 〜Always with you〜/IT'S THE RIGHT TIME』以来となるバラード。
両A面となる新曲から『片隅』のレビューを"楽曲の世界観"、"クリエイター"、"楽曲の今後"に注目してレビュー!

※当記事は、配信サイトの音源を元にしたレビューです。CD版の『片隅』は、現在配信されているものを改めて少しアレンジを変更しストリングスを生の演奏に差し替えるなどしてマスタリングし直したものになっています。(2019/6/11 9:00追記)


壮大な音楽で優しく包み込む"喪失ソング"

見出しで"喪失ソング"と謳っておいて、いきなりこんなことを書き出すのもおかしいと思われるかもしれないが、『片隅』は失恋ソングになっている。

「いつも同じ場所で同じ愛を
そっとただ渡してくれた」

いつも一緒にいてくれて、変わらない愛を与えてくれていた恋人と別れてしまった主人公。まだ自分の中で、恋人のことを吹っ切れていない状況であることが、全体の歌詞を通じて読み取ることができる。

1番では、一日の終わりは恋人のことを落ち着いて思い出せる。相手への感謝さえ湧き出るほどに
2番では、一日の始まりは恋人のことを思い出すと不安になる。「今なら」なんて後悔をするほどに

まだ、失恋に対して気持ちの踏ん切りが付いていない心情が現れている楽曲だ。

そして、片隅というワードに繋がっていくのだが、この片隅の意味に関してはリスナーの解釈次第で変わると思う。

筆者は、記憶の片隅に別れた恋人の思い出や面影が残っていて、そこに希望の光を求めている。まだ君のことを忘れられない。もしくは、記憶の片隅でも君は僕の中で大切な存在として生きているよ。という意味合いで捉えているが、もっと深い意味があるかもしれないし、謎かけや言葉遊びのような意味合いを持っている可能性もある。心理学的な解釈もあるかもしれないし、ドラマ『白衣の戦士!』と照らし合わせた解釈や、意味ありげなジャケット写真から考察する解釈もあるだろう。そういった部分を考えながら、リスナー同士で意見をシェアしあうのも楽しみ方の一つかもしれない。

さらに、視野を広げてちょっと違った解釈をしてみると、恋人との失恋ではなく、大切な人やものとの別れを歌っていると受け取ることもできないだろうか?

それは、親だったり、友達だったり、ペットだったり、大事なプレゼントや何気なく買ったキレイな花かもしれない。
大切なものは人それぞれであるので、この楽曲を恋人だけに当てはめるのでなく、自分の大切なものと照らし合わせて聴くと、もっと楽曲の世界観にどっぷり入り込めると思う。

そういう意味で、この『片隅』は、大切なものを失った"喪失感"を、優しく寄り添うように一緒に背負ってくれる楽曲だといえないだろうか。
"喪失感"を感じて、そのはけ口が見つからない。この気持ちに寄り添ってほしいと感じている時に聴いてほしい楽曲だ。


素材の良さを生かすクリエイターとアーティスト

『片隅』のクレジットを確認すると、作詞 三浦大知 作曲 Kōki, 編曲 UTAとなっている。
三浦大知はもちろんご本人、UTAは数多くの三浦大知の作曲・編曲・楽曲プロデュースをしてきたクリエイターであるが、その中で今作話題を呼んだのはKōkiだ。
ご存知の方も多いと思うが、Kōkiは木村拓哉と工藤静香の娘であり、昨年モデルデビューして脚光を浴びたばかり。さらに、16歳(2019年6月時)という若さであり、マスコミ目線で見れば強力なステータスを持っている。今までにも工藤静香や中島美嘉に楽曲提供をしており、三浦大知の新曲の作曲をしたことで大いに話題を呼んだことは記憶に新しいだろう。

どうしても、そういったKōkiの表上の経歴に目が行きがちだが、三浦大知のバックボーンやコメント、そして何より完成した楽曲を聴けば、彼女が話題性ではなく、実力で勝ち取った楽曲提供だとわかる。

まず、三浦大知が

「初めてこの楽曲を聴いた時、美しく、繊細で、深い切なさと大きな愛を感じるメロディだなと思いました。Kōki,ちゃんは真っ直ぐで芯があってとても素敵で、今回一緒に音楽を作る事ができてすごく嬉しかったです。」

と、コメントしているように、三浦大知は、素晴らしい楽曲に出会えたことに感謝しているのだ。

そもそも三浦大知は、誰もが認める日本音楽シーンのトップアーティストであり、質の高いエンターテイメントを生み出すダンスボーカリストと認知されている。何もKōkiの話題性に頼る必要もないのだ。歌手として実力で勝負できるのだから。
さらに、9歳の頃から歌手として活動してきた彼にとって、16歳だから特別という考え方もないだろう。純粋にいい曲を作る作曲家に出会えたという喜びが強く、自分が若い才能が世に知られるキッカケになれるのであればこんなに嬉しいことはないという気持ちなのではないだろうか。
話はKōkiに戻そう。彼女が楽曲を提供する際に、メロディラインのみなのか、ある程度トラックも作り込んで納品しているのかで、評価は変わってくるが、三浦大知の歌声や人間性を活かした楽曲になったことは間違いない。

楽曲提供をした際に

「この度は楽曲を選んで下さり、大変感激しています。この楽曲はハイトーンボイスで実力のあるアーティストの方に歌っていただけるのを熱望して書いていた曲でしたので、三浦大知さんに歌っていただけて本当に嬉しいです。三浦さんの声がとても好きなので、自分の曲に息を入れて頂き光栄です。三浦さんは、とても穏やかで優しさに溢れているイメージでした。1番最初にお会いさせて頂いた時に、既に仮ボーカルを入れて下さっていて、目の前で聞いた時、甘い優しい声に鳥肌が立ちました。」

と、コメントしているように、ハイトーンボイスというのが彼女のこだわりだったように思う。

『片隅』は、Aメロからサビまで、ある程度キーの高さがあり、ラストの転調部分でピークを迎える楽曲だ。では、ある程度高い声が出せれば歌として成立するのかといえば、NOである。
キーが高くなるにつれて、歌声は細く尖っていくので、そこがエモく聴こえるという歌の届け方もあると思うが、この『片隅』に関しては、優しさが重要なので、ただ高いキーを出せるというだけでは、完成しない楽曲だと思う。

その観点からみると、三浦大知は高音域も厚みのある歌声で歌唱ができ、その余裕からか、優しい表現の声質で歌えるので、聴く側にとって優しくも壮大さを持った、印象に残る楽曲になる。
三浦大知の歌う『片隅』を聴いた後に、実際に歌ってみたら意外にキーが高かった、なんか三浦大知のような雰囲気が出ないといった現象が起こるのは、上記のような要因が関係していると思う。

以上のことを踏まえると、Kōkiが抱いた「穏やかで優しい人だった」という三浦大知の人間性にもぴったりハマるし、『片隅』は彼女の求めていた理想のイメージに仕上がったように思える。音楽って楽しいと感じた作品だったのではないだろうか。

サウンド面に注目してみると、『片隅』は、サウンドのトラック数もそこまで多くなく、歌声とぶつかるようなトラックも無く、ブレイクする箇所も有るなど、ボーカルを引き立てる構成になっている。

トラックを多めにしたり、コーラスを含めたボーカルの量を増やすなどして、壮大な楽曲にするというやり方もある中で、「そんなことしなくても素材の使い方次第でスケールの大きい楽曲は作れるんだよ」と、アーティストとクリエイターが身を以て証明しているこの楽曲は、まさに技術の結晶と言ってもいいのではないだろうか。



『片隅』はどう進化していくのか? 見届ける楽しさも知ってほしい

三浦大知に限らず、アーティストはシングルをリリースしてプロモーション期間が終われば、その楽曲たちは一度表舞台からフェードアウトしていく。
その後はどうなるのか? 次に楽曲が日の目を浴びるのは、ライブでの披露だ。

三浦大知のライブは、圧倒的なダンス&ボーカルを軸にさまざまな展開を見せるが、『片隅』はどのようにライブで披露されるのだろうか? どういう形で完成していくのか? そこを見届けてほしい。

今までのシングルから一例を出させてもらうと、21枚目の『EXCITE』は、みんながタオルをブンブン回して盛り上がる楽曲に進化したし、18枚目の『music』は、音楽を楽しむようにリズムに乗って会場を一体化させるエンディングテーマのような楽曲に変化していった。

『片隅』は、バラードなので、バラードゾーンや歌を聴かせる演出で披露される可能性が高いと思うが、それは実際に見てみないとわからない。
はたして『片隅』がライブで披露され、観客のリアクションを通して三浦大知にフィードバックされたとき、最終的にどういう楽曲に仕上がっていくのか? 是非とも変化の過程を一緒に楽しんでもらいたい。

ライブといえば、新曲リリースとなる6月12日に、2019年3月13日(水)に開催した"DAICHI MIURA LIVE TOUR 2018-2019 ONE END"のツアーファイナル、大阪城ホール公演の模様を収録したLIVE DVD & Blu-ray"DAICHI MIURA LIVE TOUR ONE END in 大阪城ホール"もリリースされる。

リリース前にavexの公式YouTubeで公開された同ライブの『飛行船』の動画が、海外リスナーからのコメントが多く寄せらるなど、ワールドワイドな反響を得ているライブパフォーマンスも是非チェックしてほしい!

三浦大知(Daichi Miura) / 飛行船 from DAICHI MIURA LIVE TOUR ONE END in 大阪城ホール


映画「#ドラゴンボール超 #ブロリー」主題歌に起用された前作の『Blizzard』が、ビルボード2019年上半期Hot Animationの1位に輝くなど、日本に留まらない活躍を見せる三浦大知。

三浦大知の公式インスタグラムによると、実は今回のシングルは、「1つのメロディーから2つの楽曲を作る」という新しい試みに挑戦しているとのこと。
Kōki,が作曲した1つのメロディーをもとに、UTAと一緒に曲調も内容も全く違う楽曲を2曲制作。それが『片隅』と『Corner』なのだ。2曲で1つの作品なので、ぜひ、CDを手に入れて、2曲合わせて楽しんで欲しい!
そんな、話題たっぷりの新曲は『片隅 / Corner』は、6月12日(水)にリリース!(2019/06/11 9:00追記)


《Web & SNS》
三浦大知公式サイト:http://avex.jp/daichi/
三浦大知Twitter:https://twitter.com/daichimiurainfo
三浦大知公式YouTubeはこちら


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