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オミクロンは風邪じゃない②

2022年2月2日(水)14時30分。公立芽室病院へ。
防護服を着用した看護師さんが駐車場まで迎えに来てくれた。
裏口の前で「扉がいくつかありますが、手を触れないように」と指示があった後、院内へ。 入った所で荷物と上着をビニール袋へしまわれ、口をきっちり結ばれた。 そのまますぐ横のCT検査室へ直行。 検査台に乗せられ、あっという間に撮影終了。 終わったらエレベーターで3階へ。 ここでも「エレベーターの壁やスイッチ類には触らないこと」と念押しされる。 ふとみると、3階のボタンの上に「不使用」と書かれたカバーがかかってる。
3階で降りると、ぐるり周りにはビニールシートが張り巡らされている。 広いはずのフロアに人の声が全くしない。 気配もない。 ナースステーションのアラーム音もない。 静まり返った病棟は不気味な感じがした。
看護師さんの後について廊下を進むと各病室の扉は全て閉じてある。 扉の横のネームプレートにはシールが貼ってあり、数字だけが書かれている。 1部屋につき1枚のみ。 2枚付いている所は連番になっていて、多分ご夫婦だと思う。
案内された自分の部屋にも5桁の数字が書かれていた。 この番号で呼ばれるんだったら精神病みそうで嫌だなあ、と考えたがそんなことはなかった。 
 

病室内を入り口から見た図

病室内はびっくりするほど広い。 12畳はある。 今まで入院した中で最大の部屋だ。 もっとデカいベッドと革張りのソファでもあればVIPルームだ。 平常時なら一泊いくらするのか考えるのも恐ろしい。
手前左側に置いてあるタブレットはお医者さんと看護師さんが回診する際に使用する。 患者側から発信する事はできない。 
タブレットの向こうの丸いのはサーキュレーター。 かなりのスピードで回っている。 常時換気に使用しているため、寝る時も止めることはできない。 窓際には加湿器と電気ポット。 ベッドの横にはテレビと冷蔵庫がある。 右側の扉はバストイレ洗面所。 完璧なラインナップだ。
入院までは、何人部屋かな、窓際って事はないだろうな、窮屈だろうな、イヤだな、と考えていたが全て吹っ飛んだ。 窓も広いし、言う事なしです。採血(4本)、検温、酸素濃度を測って看護師さんは一度退室。

上着やバッグなどをクローゼットにしまって、入院着に着替えると気分はすっかり入院患者。 静かすぎる室内と静まり返った廊下に強烈な違和感を覚える。 心臓の手術で入院していた病院では、心電図のモニターから出る電子音と、ナースコールと、看護師さんの走り回る靴音、患者さんと話す声、たまに入る館内放送など、じつに様々な音が飛び交って、日中は騒然としていた。  

15時40分。 先ほどの看護師さん(Tさん)タブレットで問診。 一番最初に発症したと感じた時の状況、その後の経過、アレルギーの有無、食生活、家族構成など。
 
16時40分。 主治医のM先生による問診。 CT画像、血液検査の結果とも良好。 肺に影などは見受けられなかった。 発症した日を1月29日とすると、その10日後にあたる2月8日が退院可能となる最短の日。 状態によっては延びる可能性もあり、その場合は症状が消えた日から3日後となる。 今は熱が高くはないので、「入院診療計画書」にも記載したとおり、推測される入院期間(10日前後)を大きく超えることはないと考えている。 熱が少し下がってきている事と咳などが少ない症状と各検査の結果、新型コロナウイルス感染症の軽症と診断します。 安静と療養が今回の入院治療の大きな目的で、手術や点滴などは行う予定はないので、ゆっくりと治療にあたってください、と説明を受ける。 

17時30分。 M先生からタブレットで話があった。 内科チームで協議の結果、心臓に疾患がある高リスクの患者さんとして確認させてもらったので、抗ウイルスの新薬を処方してはどうかという結論となったがどう思うか。 患者本人の承諾と同意書が必要で、副作用も報告されているが新しい薬を使ってみる気はあるか、という問い。 入院させてもらって最新の薬で治療を受けられるならぜひお願いしたい、と即答する。 では「ラゲブリオ」という名前の薬で「モルヌピラビル」成分のカプセルを処方する。 今夜からスタートするので、夕食と一緒に届ける事にする。 1回4カプセルで、朝と晩の1日2回服用、5日間続けてもらう。 何か副反応があれば教えて欲しい。

ラゲブリオカプセル200mg

夕食(写真撮り忘れ)と一緒に届きましたよ、例のブツが。 なかなか毒々しい色。 テレビで見た時は白いマークが入っていたような・・・??
 https://www.asahi.com/articles/ASPDS5GG7PDGULBJ00N.html

カプセルを一度に4錠も飲むのは初めて。 のどが痛いので飲むのは苦労したがカプセルそのものはとても軽かった。  
さて、この薬がどう効いてくるのか楽しみだが、新薬なのでどんな副作用があるのか、不安でもある。



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