「ゼルダ」日記・その3 ~これはシリーズ史上、もっとも初心者向けの「ゼルダ」では?~
まずはプレイ報告。ゾーマの里を越えたところです。
まだまだゲーム序盤ではありますが、この段階で、Nintendo Switch「ゼルダ」を、ひとことで説明してください! ――と命じられたら、「ものすごーく初心者向けのゼルダです」と答えます。
ええー? そんなわけないでしょー! だってガチガチのゲームマニアの人たちが、「歯ごたえありすぎ!」みたいな言葉で絶賛しているじゃないですかー! 絶対に難しいゲームに決まってますよ! ――と思っている方も、たくさんいるでしょう。
うん。たしかに、難しいことは難しいですよ。アクションゲームだからね。
でも、やっぱり初心者向けのゲームだと思うんですよね。なんというか、一般的な「難しいゲーム」とは違うんです。難しいけど、同時に初心者向けでもあるという、なんとも不思議なゲームなんですよ、これ。
なぜかというと、このゲームには「正解がない」からなんです。
どの順番で村を巡ってもいいし、どの中ボスを先に倒してもいいし、そこに「正解」はありません。村に向かうまでの道のりも完全に自由。道を歩こうが山を越えようが川を下ろうが、すべてOKです。
こうなると、ゲームが上手くても、上手くなくなくても、そこに差がなくなってくるんですよ。ゲームが上手い人って、これまでのゲーム経験と照らし合わせることで、「より的確な行動を、きちんと選べる人」なんです。「作り手が想定した正解ルート」を見つけるのが上手い人だ、と言い換えてもいい。
だから正解のないゲームでは、その能力は、あまり意味が持たなくなるんですね。
わたしも「ゼルダ」のシリーズ全作品をプレイしていて、このシリーズを攻略するためのノウハウが身に沁みついているはずなのに、今回、それらが、ほとんど役に立っていません。
むしろ、10時間ほどプレイした現在、それらの知識がプレイの足を引っ張っていたのか! ――と気付かされたほどです。ほんと、経験が邪魔になっていたんですね。
というか、Nintendo Switch「ゼルダ」は、ゲームで得た知識や経験よりも、それ以外の知識や経験のほうが、役に立つんじゃないかなぁ。
ぶっちゃけ、わたしも、ゲームを進める上で、もっとも役に立ったのは「これまでのゲームで得た知識」じゃなく、大河ドラマ「真田丸」の教えだったりしたんですよね。
「強い相手に、正面からぶつかるヤツは馬鹿」
「あらゆる卑怯な手を使え」
「戦いに挑む時は、つねに上から攻めろ」
それらの、ドラマの中の真田パパ(草刈正雄が演じた真田昌幸)の教えが、ゲームを進めるうえで、ものすごーく役に立ちました(笑)。
とにかく崖を登る。険しい岩場を移動し、眼下に魔物を発見したら、上から爆弾を投げまくる。魔物が登ってきたら、槍で突っついて崖下に叩き落とす。難攻不落の真田丸状態を作るわけです。いやはや卑怯なやり方ですが、これをやりはじめたら、一気に冒険が楽になりました。
もうね、これって、いわゆる「ゲームの攻略法」じゃないわけですよ。剣や弓矢で戦った時代における合戦の常道、みたいなヤツを踏襲しているだけ。でも、そういったゲームと無関係のノウハウを活用したほうが、むしろ、すんなりゲームを進められるんです。
ねんのために書いておきますが、わたしのようなプレイ方法が「正しい」わけじゃありませんよ。
平地を歩いたほうが、たくさんの草花を発見できるし(それらは薬などの材料になる)、たくさんの獣たちを弓矢で狙えるし(そうして狩りで得た肉は大事な食料になる)、魔物とたくさん戦えばいい武器が手に入るし(魔物が持っていた武器を奪える)、そうやってプレイする人も、たくさんいるでしょう。
ようするに、どっちでもOK、ってことです。
どっちのやり方も、正しいんです。
自分が思うままにプレイすれば、それでいいのです。そしてゲームに慣れていない人の自由なプレイが、「ゼルダ」経験者による経験則に従ってのプレイよりも、スムーズなゲームに繋がることも、多々あるということです。
ほら、そう考えると、これってものすごーく初心者向けのゲームだ! と思えてきませんか?
もう一度書いておきますが、難しいゲームではあります。
アクションゲームをほとんどプレイしたことがない、という方は、ちょっと苦戦するかもしれません。
でも、そこそこゲームを楽しんできたけど、「ゼルダ」は難しそうだから敬遠してきた――という方は、ぜひプレイしてほしいところです。シリーズ未経験であることがハンデにならず、むしろ有利に働くこともあるゲームなんて、そうそうあるもんじゃないですよ。
(注)この文章は、ゲームのプレイ途中での感想を記したものであり、すでにゲームをクリアした人からすると、正しくないことを書いているように見える可能性もありますが、ご容赦くださいませ。
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