野安の電子遊戯工房 ~「マリオテニス エース」プレイ日記・ついに最後の試合に挑戦の巻~


 ほんと面白いなぁ――と感心しながら、ゆっくりぺースでプレイしてきた「マリオテニス エース」のストーリーモードも、ついにクライマックスに突入しました。長い冒険の末、クッパの石像が待ちかまえておりました。こんなのです。

 うむ。どこをどう見てもテニスゲームとは思えないステージではありますが、深く考えてはいけません。実際にプレイしてみれば、クッパの吐き出した火の玉をラケットで打ち返していくという攻略法が要求されるため、ちゃんとテニスのテクニックを使って戦うゲームになっております。

 そして、チャンスが到来したら、石像が口にくわえている「玉」に向かって攻撃します。このようにして、時間内に3回ダメージを与えればステージクリアになるあたりは、マリオシリーズのお約束ですね。

 なお、こうして画面写真を並べてみると、けっこうハードなステージのように思われるかもしれませんが、ここまで到達できる実力があるなら、さほど苦労することはないでしょう。2~3回ほど挑戦すればクリアできるんじゃないかなぁ。わたしはできました。

 しかし、これでストーリーモードが終わるわけではありません。

 これはテニスゲームです。正しくは「テニスバトル」というジャンル名ではありますが、それでも「テニス」をするゲームです。となれば、石像のクッパを倒すためのステージは最終ステージとしてふさわしくないと言えましょう。最後の決着は、やはりテニスの試合であるべきです。

 というわけで、広いマップを延々と移動してきた結果、マリオはスタート地点と同じスタジアムに戻ってくることになりました。しあわせの青い鳥は自宅にいた、みたいな結末ですね。違うか。でもまあ、ここでストーリーモードの決着をつけることになるわけです。だけど――。

 ここで、いきなり操作キャラがピーチ姫に変更されるのかよ!

 しかも、いきなりダブルスかよ!

 こまで延々と続いていたストーリーモードでは、シングルの試合しか用意されていないため、プレイヤーは、一度もダブルスなんて経験しないまま、ここに到達しています。なのに、いきなりダブルスの試合が用意されてるんですよ。ステップを踏むようにコツを教えていくことに定評のある任天堂製ゲームとは思えないような、「ラストの勝負で、いきなりぜんぜん違う戦い方を要求しちゃうよ」という驚きの展開です。

 この展開、製作者の中でも「本当に、これでいいのか?」という議論があっただろうなぁ。一度くらいはダブルスの練習をさせてから、この試合に挑ませるべきではないのか――といった指摘が、何度も何度もあったかと思うぞ。そのくらい、これは衝撃的な展開ですよね。




 でも、いざプレイしてみた感触をもとに、個人的な意見を述べさせてもらいますと、この英断は「正解!」だと思います。

 一見すると、任天堂フォーマット(というか、ゲームのチュートリアルの基本フォーマット)から大きく外れているのですが、今回のケースは、これで正解なんですよ。めちゃくちゃ計算されていることがわかります。

 というのも、テニスというのは、「ダブルスで、自分よりも上手い人と組んだ」ときに、目からぼろぼろとウロコが落ちるスポーツだからです。ひとりで試合をしていると「いいボールを打つ」という技術だけを磨きがちになるんだけど、上手い人と組むと「勝つために、どうするか?」という視点からのプレーを目の当たりにすることになるからです。

 あの感覚が、この「マリオテニス エース」のダブルスで、鮮やかに再現されることになるんですよ――と言ったら、ちょっと大げさすぎるかもしれませんが、ここでダブルスのパートナーであるデイジーの動きを見ているうちに、「あ。こうやって劣勢を挽回するのか」「このテクニックは、こうして活用するのか」といったコツがわかるんですよ。パートナーが勝つためのプレーを実践する姿を見て、目からウロコが落ちていくんです。

 ほんと、いきなりここでダブルスをの実戦を用意したのは素晴らしい決断だったと思います。製作スタッフの英断に脱帽です。ちょっと感動しちゃいました。




 というわけで。

 この先も、もう少しストーリーモードは展開するのですが、最後の最後まで書いてしまうのはネタバレにもほどがあるので、ここで止めておきましょう。「マリオテニス エース」のストーリーモードのプレイ日記は、今回で終了することにします。

 今後、別のモードをプレイしているうちに、また何か文章を書きたくなるかもしれませんので、そのときは、またプレイ日記をアップすることにします――と宣言して、今回のコラムは終了させていただきます。でわでわ。

(2018/07/16)

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