千葉ニュータウン鉄道・リースバック車両の謎

京成電鉄のIRライブラリには各年度の有価証券報告書が掲載されており、北総鉄道や千葉ニュータウン鉄道(CNR)の保有車両数についても記載がある。

2018年3月期(2017年4月~2018年3月)ではCNRの保有車両は全40両、提出会社(京成)から賃借中の車両が8両含まれると記載されている。

有価証券報告書-第175期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)から抜粋

この8両は9000形9018Fの代替として投入された9800形9808F(←3700形3738F)である。

しかし翌年度の2019年3月期(2018年4月~2019年3月)では保有数こそ変化が無いものの、リース契約にて賃借中の8両が含まれると記載されている。

有価証券報告書-第176期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)から抜粋

2017年3月の9000形引退と9800形登場以降、CNR保有分に大きな動きは見られないことから、既存車種のいずれかがリースバック(注)されたと考えるべきだろう。

(注:保有資産を第三者に売却した上で改めてリース契約を結び使用を続けること。契約満了による返却ではない。)

なお2023年3月期(2022年4月~2023年3月)でもリースバックが継続している。

有価証券報告書-第180期(2022/04/01-2023/03/31)から抜粋

CNRは非上場企業である以上、売却・リース元、売却した車両、その理由は不明であるが、一時的な資金調達目的で主力銀行と関係のあるリース会社に渡ったと考えるのが妥当である。少なくとも親会社の京成もしくはグループ会社ならば、この注釈に記述されているだろう。
また売却された車両は9200形ではないかと考える。2018年時点で製造後5年と減価償却が終わっていないこと、北総に賃貸しているのにも関わらず側面に「北総鉄道」プレートが掲げられていないことが挙げられる。(もっとも後者は製造段階からであり根拠としては薄い)


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