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想像0311

まるで湖のように静かな海のまんなかを

一艘のカヌーが横切っていく

それはゆっくりと、夕暮れの橙の水面をすべる

カヌーにはがっしりした手の初老の男がのっている

今、この世で動いているのはそのカヌーだけと思われるほど

静かな凪のうえで

この美しい橙の水面がすべて彼のものであるかのように

ゆっくりとカヌーを漕ぐ、その彼の心こそ

もっとも静かに美しい


・・・

想像、の世界ではこんなにも

具体的に美しいものがみえる

不思議です

あまりに綺麗で調和した世界だった

カヌーのおじいさんありがとう