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シュート!の新作アニメの1話ですごくモチベが下がっちゃった話

突然キレるアニメキャラ

最近のアニメ、とくくっていいのかわからないけれど、毎期のアニメはほぼ見ているわたしからすると、ここ最近情緒不安定すぎるキャラが増えた気がする。もちろんアニメなので、キャラクターはある程度記号化しないといけないし、わかりやすくしないと見てもらえない問題もあるので、ちょっとばかり誇張しているのはわかる。わかるのだけれど。「えっと、そこまで怒ること?」と戸惑うことが増えた。大半は、いわゆる昔で言うところの「熱血キャラ」が情緒不安定になっている。気に入らない相手にただただ怒って嫌な態度を取っている、ように見える。
シュート!の新作アニメの1話を見たときもそうだった。主人公の辻秀人も、まあ過去にいろいろあったんだろうけど、どこか情緒不安定。風間成も情緒不安定。
1話で辻秀人が掛川高校サッカー部の試合を偶然見かけ、負けている様子に小さくにやりと笑うのだが、どういう原理か風間成が目ざとく見つけ、校舎裏に呼び出し胸ぐらを掴む。サッカーを馬鹿にするなと。馬鹿にしているのはお前だ風間と言いたい。

サッカーをやっている人は、暴力的だと見えてしまう

風間の主張をまとめると、辻が試合を見て馬鹿にしたように笑ったことが許せないらしい。なぜあの距離で風間が笑っているのが見えたのか?という当然の疑問はいったん置いておくとしても、本当にサッカーが好きでサッカーに情熱を傾けているならば、馬鹿にする人間につっかかっている暇はないはずだ。きっと、泣きながらシュート練習をすると思う(古い?)。
在りし日の翼くんがボールと友だちになるために四六時中ボールと一緒にいたように、本当にサッカーが好きならボールをさわって、練習をするのではないの?
こうしないと辻と風間が出会うきっかけを1話でつくれない。話数に限りがあるので強引にでもこうしないといけない。もしかすると泣く泣くこのような脚本にしたのかもしれないが、サッカーを最悪の形で侮辱していることを誰も指摘しなかったのだろうか。サッカーが好きな人間は、暴力や恫喝で物事を解決するとも思われかねないリスクを誰も指摘しなかったのだろうか。シュート!の制作委員会に、サッカー好きはいなかったのだろうか。

きっとこれからどんな展開になってもこの異常な1話で感動できない

恐るべき暴力事件ののち、ややうんざりするような紆余曲折を経てPK勝負になり、辻は掛川高校サッカー部に入りそうなフラグが立つ。きっと風間とも和解していいチームになっていくのだろう。
それでもサッカー好きの皮をかぶって、風間がサッカーを冒涜したことをわたしは一生忘れられないし、これからどんなに感動的な展開があっても衝撃の1話ですべて空っぽに見えてしまいそうで悲しい。
それくらいに、あのシーンはかなり違和感があり、風間という人間の印象を最低最悪なものにしてしまった。まさか風間のネガキャンをしていた…?と思ってしまうほど。
過去のシュート!を再放送したほうがバズる可能性が高かったのでは、と結果論ではあるけれど、思わざるを得ない。アニメの予算の問題なのか、わかりやすさを求めるあまり「熱血キャラ」がただの「キレキャラ」になりつつある傾向が問題なのか、いろいろな事情があるのだろうなあと考えると胸が詰まる。

それでもやっぱり思うのだ。

サッカーが本当に好きなら、ボールと友だちになることに真剣になってほしい、と。

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