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鑑賞記012「TAGBOAT×百段階段 展」~十畝の間~

ホテル雅叙園東京「百段階段」にて、新進アーティストによる独創的なアート作品と文化財が競演する展覧会が2020年10月11日まで開催されています。
本記事は展示会場の1つ、十畝の間での鑑賞記です。

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十畝の間──この部屋は、装飾を担当した画家・荒木十畝から名付けられた部屋になる。7つある部屋の内、唯一の平屋であり、一番広い部屋でもある。黒漆の下地に貝を埋め込んで研ぎ出すという黒漆研ぎ出しという手法を用いた、手の込んだ螺鈿細工があちこちに施されていて、格調の高さを感じる。

そんな部屋に入って真っ先に現れるのが、こちら。

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「プレイ 〜つくること、あそぶこと、そしていのること〜」(Maria, Pigeon)塩見真由

すごいインパクトと共に、なんとなく既視感。この手の感じどこかで見たような・・・ええと、としばし考える。が、なかなか紐付かない(悩)。あぁ、エル・グレコの「受胎告知」のポーズだ、と気づいたのは帰宅してからだった(恥)。
足元で見上げている鳩も可愛い。どちらも作品の素材としてジーンズが使われている。中には発泡緩衝材が使われているとのこと。身近な素材を使って、名画の一部分をぐぐっとクローズアップさせていることで、親しみと身近さとインパクトがそこに出現していた。


そして一部屋目にして本日のお目当ての作品に♡

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「存在の力」西島雄志

床の間に舞う鹿さん・・・!語彙力無くて表現がアレなんだが、この床の間にほんとジャストフィットな作品~!って思った。跳んでいくその瞬間の姿は迫力と儚さと力強さが共存するように私は感じていて、今回もとても良い瞬間を愛でる機会を頂けて嬉しい。

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銅線をぐるぐると巻いたパーツをつなげていくことでその形は現れる。欠片が繋がって、断片となる。その断片が全てを覆わなくてもそこに現れる存在が、なんというか、神々しいというか、神秘的というか、、、好きな作品なのだ(語彙力!ww

ライティングも素晴らしいと思っていて、作品と重なる影がまた奥深さを出していると思うので、是非作品に当たる光とその影も見て頂けるといいかなぁとか思ったりしている。


この部屋は広い部屋なので、置いてある作品も多い。その中で気になったのはこちらの作品群。

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濱村凌さんの作品群

複雑に重ねた色のバランスがいいなぁと思いながらにじり寄り、少し角度を変えて眺めてみるとそこに深みが現れて、不思議な感覚に引き込まれた。色味もだが、筆(これはナイフ?)の動きも楽しみたい作品だった。

絵画っていうものはどのように鑑賞するのがセオリーなのかはよく理解できていない私だが、油彩の作品は真正面からだけでなく、右から左から、下から、可能であれば上からも、色んな角度から立体的にも鑑賞することが出来ると思うので、今日も怪しく斜に構えたりしゃがみこんだりして鑑賞していたのであった(笑)



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