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鑑賞記025 「さいたま国際芸術祭2020」 ~アネックスサイト~

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さて次はアネックスサイト。この一年ぐらい、幾度となく通うことになった旧大宮図書館。いろんなイベントあったよなぁ、真っ白になってたよなぁ。紙丸めて投げたよな~、ハハッ、等と思い出しながら向かう。
こちらにも沢山の作品が展示されていた。その中で印象に残ったものをいくつか紹介したいと思う。

灰原千晶「Here,there,home」

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入ってすぐのところに基礎が作られてました。東日本大震災で被災し、さいたまに移ってこられた方を取材した作品とのこと。土が入ったHEREの部分が外に。

遠藤一郎「未来美展」

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とにかく情報量が多くて頭がクラクラしたエリアw 匍匐前進でお百度参りしたり、河童だったり、ご本人自体パワフルな方だなぁと思っていたけど、展示見てうん、この世界観凄い、って泡吹きそうになっていたw
こどもと一緒に鑑賞してたので、R15のお部屋を覗けなかったのがちょっと心残りw

カニエ・ナハ

人が多すぎて写真は断念したんだけど、語っておきたい。今回の展示の中で、一番ビックリした作品だった。広い空間が作品。
娘に言わせると「なにもないんだけど~~」。
そう、なにもない。
指定された場所に立って説明を読むと、そこに見える景色が作品となって現れてくる。こんな面白い表現があるのか、、、と目からうろこだった。

久保寛子「ハイヌウェレの彫像」

屋上にそれは居た。

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どーん。巨大な人の形をしているがところどころ切れている。巨大な手や足に娘は興味が行ったようだった。説明パネルに「アラハバキ」の文字。あっ・・・と記憶が蘇る。

遮光器土偶について調べていたときに、アラハバキと呼ばれる民間信仰があることを知った。縄文時代に広く信仰されていた自然信仰の神様・・・で、遮光器土偶がそのアラハバキを表してるんじゃないかみたいな話だった。遮光器土偶は女性を表した土偶だ。

そして作品を見返す。この作品も女性のようだ。発掘される土偶は破損している姿で出てくることが多い。巨大なこの作品も破損した状態?現代の巨大土偶、といったところか。

DamaDamTal「ひまわり~Improvisation in the park~」

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メインサイトにもひまわりがいた。アネックスサイトにもひまわりがいた。

DamaDamTalと、ひまわり特別支援学校の生徒たちでコツコツと作り上げた作品だ。いろんな素材を使って、組み合わせたり、編み込んだり、混ぜてみたり、切ったり貼ったり、いろんなことを繰り返して、積み重ねた、その集大成がそこにあった。

DamaDamTalのパフォーマンスは、その時、その場で生み出される「即興」。この作品もその時、その場で思いついたものが組み合わさった即興の集大成。自由に伸び伸びと、生徒たちのひまわりが咲き乱れていた。

この「即興」、というものは、改めて考えると非常に難しい行動だなぁと思うのである。
アイデアというものはポンと浮かぶものばかりでは無い。一日中唸っても出てこない時なんてしょっちゅうだ。自慢じゃないが私は石頭な部類だと思うしね。ああしてみよう、こうしてみよう、という動きに至るキッカケを紡ぎ出すことができずに、そこに立ち止まってしまうこと、諦めてしまうことがよくある。

即興のプロが生徒と共にアイデアを紡ぎ出す。何度も繰り返し、立ち止まり、時間をかけて、そのキッカケを与えていってたのかなぁ、なんて思いながら、この日も作品の下に座り込んで鑑賞させてもらったローアングラーであった。(ぉぃ

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さいたま国際芸術祭は、11月15日で会期は終了した。本来は春に開催される予定だったが、昨今の情勢の影響で延期となった。イベントの実施を断念する組織が出てくる中、この状況で出来ることを必死に考えて試行錯誤して行動をされていた関係者をネット越しで眺めてきていた。

私は単なる客の一人でしかなくて、何もしてなくて。毎度遊びに行っては楽しい思いをして帰ってきているだけだったんだけど。行く度に、アートの可能性、表現の可能性について、色々なヒントを与え続けてくれていたように思う。

都市型のアートイベントとして見た場合には、、、都市について思うところも正直あるが、逆にこの状況の中でよくここまで推し進めて行くことができたなぁ、とそのパワーというか熱意というか、本気を見たよね。(めっちゃ偉そうですみません。)

関係された皆様、本当にお疲れさまでした。素晴らしい作品と機会をありがとうございました。次も楽しみにしています!


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