見出し画像

鑑賞記019「TAGBOAT×百段階段 展」~頂上の間~

ホテル雅叙園東京「百段階段」にて、新進アーティストによる独創的なアート作品と文化財が競演する展覧会が2020年10月11日まで開催されています。
本記事は展示会場の1つ、頂上の間での鑑賞記です。

頂上の間──当初西村五雲に揮毫を依頼していたが、描く前に他界してしまい、叶わなかったと伝わる。最終的に川端龍子門下の画家により描かれた天井画が配される部屋。

最上階の部屋ということで、階段99段登りきったところで目に入ったのがこちら。

画像1

「巡る」伊藤咲穂

たくさんのコトバが書かれた紙がびっしり~。
実はこれ、過去の展覧会で実施された「幸福連鎖御神籤(つなぐ おみくじ)」というインスタレーション作品での成果物だそうで。「おみくじ」を引いた人が、次に引く人の為にお告げを書いていくという、お告げというコトバが繋がっていくおみくじだったそうだ。
その際に持ち帰らずに残していかれたお告げを展示しているそうだ。どれもいい言葉で、次に引く人にも幸せが来ますようにって祈ってるんだなぁって思ったりして眺めた。

さて、この作品を作られた伊藤さんは、独自の漉き方で生み出した「錆和紙」を使ったアーティストさん。・・・視線を落とすと

画像2

「巡る」伊藤咲穂

ぶわ~っと広がる紙の泉。この茶色かったりするのが錆和紙かな。紙というか、繊維と金属が一体化する不思議さと深さと新しさを感じながら、これもまた、しばらく見入っていた。

奥には、錆について、錆が育つ過程に注目したという映像作品も展示されていた。
気がついたら錆びてて、うわーってなる、というパターンが多い私にとって、錆が起きる流れに注目したことなんて無かったもので、これもまた新鮮であった。

■■■

百段階段展は、2020年10月11日までの開催です。日本を代表する文化財の中で繰り広げられる現代アーティストの作品の競演。一度で二度も三度も美味しい展覧会ですので、お近くの方は是非おでかけください♪


サポートをお願いします!頂いたサポートで、テトぐるみ(1284円(税抜)/1個)を買っていきます。目指せテトぐるみ100個!!