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古くても良いものは良い 「ネバーエンディング・ストーリー」


先日、ちょっとした工作の作業をしながら、なんとなしにNetflixで「ネバーエンディング・ストーリー(84独・米)」を流したのだ。勇者が架空の世界「ファンタージェン」を救うべく旅をするというファンタジーだ。懐かしくて、そして嬉しくて、途中で作業の手を止めて観てしまった。

考えてみると、この映画を観るのはたぶん二十数年ぶり。最後に観たのは小学生の頃だったかな。驚いたことに、セリフやシーンをかなり細かく覚えていた。今なんて、去年観た「アヴェンジャーズ」の筋書きさえぼんやりとしか覚えていないのに。

とりわけ強烈に覚えていたのは、幼かった僕にとっての「こわいシーン」だ。たとえば、勇者アトレイユの連れている馬が底なし沼にゆっくり沈んでいっちゃうシーン。悲しげな馬の表情(悲しそうに見えた)に耐えられなくて、目を背けていた記憶がある。

あと、アトレイユがスフィンクス像のテストを受けるところ。「恐怖の気持ちを抱くと、像の目からビームが発射されて焼き殺される」という、少年にはかなりきついテストだ。無表情のスフィンクスの目がだんだん開いていくのが、どういうわけか凄く怖かった。同じように恐怖した人はいるんじゃないかな。

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もちろん印象的なのは恐怖シーンだけじゃない。登場するキャラクターの個性が光っていて、あの頃のわくわくが蘇ってきた。ワンちゃんと人間の顔を足して2で割ったような顔の龍「ファルコン」。ぼりぼりと岩を食べる岩男(いわお、じゃない。いわおとこ、だ)の「ロックバイター」。煙を上げながら高速で走るレース用ナメクジ。

少年時代には話に入り込みすぎて気づかなかったけど、大人になって改めて見ると、とてもいいストーリーだ。物語と読み手の世界の境界線が曖昧になっていくカラクリ、それを通して少年が成長する姿。

古くても、良いものはずっと良いんだね。こういうものを観て育ってきたから、何歳になっても「冒険もの」の映画はいつまでもわくわくしながら観ちゃう。

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