『憧憬のジョバンニ』

釣鐘ふうりさんへ、憧憬のジョバンニを楽曲提供した。

お話を頂いたのは少し前のこと。
『カンパニュラを響かせて』
を聴いた時、掴みどころのない透き通る感覚があった。遊園地にある鏡の迷路に入った時みたいな、行き止まりかと思ったらすり抜けて進む感覚。としまえんって知ってる?知らない?ああそう。
兎角、一気に吸い寄せられたのに離される。放される。そんな曲だった。わあこれはすごいな。

ジョバンニは言わずもがなカンパニュラの対比であり、類語である。
カンパニュラで見た透明は「ふうりさんを見る誰かが感じるもの」だった。
ジョバンニでは「ふうりさんが見る世界に感じるもの」にしたかった。掴みどころのない夢や理想。列車の窓、遠くを見つめてたはずなのにいつのまにか映り込む自分の姿と目が合って、なんとなく目が合わせられず嫌になる。
目を瞑って会いに行くインスタントな幻みたいなものに、毎日の現実からちょっとだけ逃げている。あれだけ好きだったはずの曲を飛ばした。
それで良いんだよ。人間らしいじゃん。
そういう讃歌をぜひふうりさんに歌ってほしいと思って書いた。

ベースとなるアイデアは銀河鉄道。列車の音みたいなハイハットを入れたり、どうせ幻なんだから大規模なオーケストラを入れたり。
自ずとテンポが決まってきて、枠組みが上がったところでドラムのきいちゃんにパスした。
テンポ的にも、かるーくサンバ系のピアノ入れていた。モントゥーノってやつ。私がそう言うのが好きなので。
するときいちゃんがサンバ系のドラムを入れてきた。まあそりゃあそうか。あの子もそう言うのが好きだったな。
そしてベースをむろみに頼んだ。
むろみんのベースラインにしたい!ってのはふうりさんからの話だった。即むろみに頼んだ。彼に連絡すると、むろみん〜、への返信が了解!で助かる。話が早い。
そしてむろみサンバベースが入って完成した。ああ、彼もそう言うのが好きだった。

てなわけで、割とサンバ調のある、まあしかし、それがあるからこその宇宙感がある(宇宙は大ヘンだ!に由来するものかも知らんが)最高な曲に仕上がったってワケ。
旧うる星やつらは世代ではない。ポケモンはダイパ世代です。

おわり。

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