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ちょっと遅い新年のあいさつ
2025年は巳年ですが、本来の干支でいうと乙巳(きのと・み)です。巳年であること以外にも込められた意味があります。「乙」は十干では第2位であり、困難があっても紆余曲折しながら進むことや、しなやかに伸びる草木を表しています。「巳」は蛇のイメージから「再生と変化」を意味します。脱皮し強く成長する蛇は、その生命力から「不老長寿」を象徴する動物、または神の使いとして信仰されてきました。
この2つの組み合わせである乙巳には、「努力を重ね、物事を安定させていく」といった意味合いを持つ年とされており、辛抱強さが必要な中にも「成長と変革」の年であるようです。
過去、「乙巳」の年には、どんなことがあったでしょうか。
古くは、中大兄皇子が新政権を設立した645年に大化の改新、平家から源氏の世となった1185年には壇ノ浦の戦い、1905年には日露戦争が終戦するなど、歴史における大きな変化がありました。
1965年は、前年に開催された東京オリンピックの余韻が残る中、経済発展が急激に加速しました(いざなぎ景気)。
水面下の動きも含めた避けられない変化にうまく対応し、新しい秩序を起こし、発展に勢いのつく年、そういう年にしたいものです。
〈人間の最大の罪は不機嫌である … 変化によって苦労や辛抱強さが必要な中でも、楽しく、面白がって、急がず、慌てず、着実に進みましょう〉
へび年生まれの偉人の一人に、ゲーテという人がいます。ゲーテは、ドイツを代表する世界的な文豪であり、作家としてのみならず、詩人、自然科学者、政治家などとしても大きな仕事をなした人です。
何かを創造する人たちにとって、とても魅力的でファンが多い人物ですね。
この人を称して、「知の巨人」、「人類最高レベルの資質を持った人間」という人がいます。裕福な家に生まれ育った才能豊かな人が、健康に恵まれ、環境に恵まれ、いろいろな体験に恵まれたおかげで、いろいろなことを知り、いろいろなことを成し遂げた、そういう人です。
彼の言葉は名言の宝庫です。以下、列挙しますが、読んで嚙み締めただけでも、心に響き、魂を磨くことに役立つと思います…。
「いつかは目標に通じる歩みを一歩一歩と運んでいくのでは足りない。その一歩一歩が目標なのだし、一歩そのものが価値あるものでなければならないよ。」
「大事なことは、すぐれた意思をもっているかどうか、そしてそれを成就するだけの技能と忍耐力を持っているかどうかだよ。」
「精神の意思の力で成功しないような場合には、好機の到来を待つほかない。」
「ひとかどのものを作るためには、自分もひとかどのものになることが必要だ。」
「自分を信頼しはじめたその瞬間に、どう生きたらいいのかがわかる。」
「気持ちよい生活を作ろうと思ったら、済んだことをくよくよせぬこと、めったに腹を立てぬこと、いつも現在を楽しむこと、とりわけ、人を憎まぬこと、そして未来を神にまかせること。」
「天には星がなければならない。大地には花がなければならない。そして、人間には愛がなければならない。」
「人生に成功する秘訣は、自分が好む仕事をすることではなく、自分のやっている仕事を好きになることである。」
「すべてを自分自身のおかげだと思うとしたら、それ以上進歩はできない。」
「節度を持った人だけが豊かさを感じる。」
「忘恩はつねに一種の弱さである。わたしは有能な人たちが恩知らずであった例を知らない。」
「涙とともにパンを食べたことのある者でなければ、人生の本当の味はわからない。」
「私たちの心は常に楽をしようとする。でもそれに逆らって、何かを目指して頑張ると、今度は心の中が幸せな気持ちでいっぱいになるように出来ている。」
「我々の精神は絶対に滅びることのない存在であり、永遠から永遠に向かって絶えず活動していくものだ。」
「人間の最大の罪は不機嫌である。」
自分自身を大事に、周りを大事に、一つひとつ、なすべきことを丁寧に心を込めてやる、その努力を快活な心を保ちながら生涯続けて行く、それにより永遠の魂は成長し続ける、そんな精神がゲーテの言葉には貫かれています。それが、創造し、成功する人の人生の極意なのでしょうね。
急がずに、だが休まずに。
Without haste, but without rest.
~by ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
今年もどうぞよろしくお願いいたします。