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ちょっと手伝って!!~Part3~

シリーズ化するつもりは毛頭なかった。しかし、アルゼンチンのクルマ事情が日々驚くことばかりで書かずにはいられない。

しばらくすると、見慣れた光景になってしまう前に記録として衝撃の光景を書き残しておきたい。


1.これまでの展開

自分でも情報過多になっていて記憶が追い付かない。なので振り返っておくと、車はバッテリーが上がっても押せばエンジンがかかるという結論。

バッテリートラブルで立ち往生していたとしても、周りの手伝いで何とかなる。日本でいうJAFとかじゃない、そんなものよりも人が人を助け合うという考え方が浸透している。

2.今回のお話は

すごく快適なドライブをしていた。若干マリオカートを思わせるハンドリングにも少しづつ慣れてきたし、交差点の信号は目安であって勝負をする場所である。高速道路の路肩は最短ルートであるというのが一番身近なドライバーの運転の姿を見てきた。

そんな快適なドライブ中に一本の電話。アルゼンチンは運転中の通話に規制がなく、普通の光景である。話の内容はわからないが、リアクションだけ聞いているとトラブル発生なのはわかった。

3.電話は長男からだった

お世話になるホストの長男(仕事中)からの電話だった。仕事の配達中に車が故障したという連絡(らしい)。聞いてる方としては、事故を心配したのだが、いつものトラブルだった程度の反応だった。

良く考えると、車のトラブルに一番最初に連絡するのが家族っていうのもアルゼンチンらしいと思う。日本では故障を家族に言っても解決しないからだと思うが、数分のやりとりで現場に急行する父の姿を見て不思議な感じもしていた。何をしようとしているのかが想像できなかったからである。

4.そして現場に到着すると

現場に到着、もう準備が出来ていたかのように車を目の前に寸止めしてロープで括り始めた。そう、長男の車と父がけん引しようという事だったのだ。手際の良さから察すると、一度や二度のことではない。作業自体は5分とかからずにすぐに出発したのである。

発車するタイミングでブレーキングの息が合わないと、時々ロッキングするがある程度スピードが出れば、後続はブレーキのタイミングを間違えなければほぼ進んでいくことができる。過剰にスピードが出せないというだけのこと。

5.けん引したまま帰宅する

一瞬の手際の良さだった。ブレーキで後ろからたまに車の当たる音がしたり、信号待ちの発車や坂道で先頭車に負荷がかかる以外は普通に運転している。当然スピードを出すこともできないが、そんなにゆっくりと言うほどでもなかった。予定よりも若干遅い程度で帰宅できたのである。ギアの故障でローギアに入らないという原因だったとのこと。

6.そして翌日は

所要で病院の検診についてきてもらっていた。路上駐車が当たり前なのだが、場所は都心部だったことから、「ちょっと車を見て来てくれ」と頼まれてしばらく近くにいると、レッカーが到着する。

「友人の車なんだ」となんとか言うものの、カギがなければダメとのことこっちの話は聞いてもらえずに、目の前でレッカーに引かれて撤去されてしまった。鍵を持って運転席にいれば良かったのだろうが、まさかそんなことになるとも想定していなかった。(罰金は約6500ペソ:当時1円=0.908ペソ)

7.「見ていてくれ」の意味

あの時にどう対応すれば良かったのかを聞いてみた。返事は「俺ならそいつを殴っている」との返事。全く何にも参考にならなかった。確かに何を言おうと話を聞くでもなく、電話で持ち主に繋いでも聞く耳を持たなかった。

警察の関係ではないのだろう。事業としてルールに則って作業をしているだけの方だったのだと思う。車はさほど離れていない場所で保管され、そこまでの騒ぎにはならなかったが、路上駐車にも暗黙のルールが存在することが今日の勉強だったということでこのシリーズは終了となる。

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