NEVER LAND
嘘をついて日々を繰り返していた。
物事が正しい状態にあるのがたまに僕には異常に感じて、自分じゃ何処にも行けなくて。
子供のままでいたいとずっと言い続けていた僕には、正常を教える彼はフック船長のように見えた。
『嫌い』僕の中の夢を壊すから。
大人は忙しい
そんなに嫌ならやめちゃえばいいじゃん。
大人は辛い
そんなに嫌なら見なければいいじゃん。
張り付いたような笑顔で会話する大人たち。
まるで顔が無いように見えて滑稽だと嘲笑って横切る。いたずらに向けたその言葉は彼を傷つけた。
苦しい事、悲しい事なんにもない世界で生きてきて物事を捉えては考えていた。
彼の言葉や考えがわかる頃にはもう遅くて、
すっかり誰もいなくなったその世界で逆に滑稽だと笑われる。
次は僕がフック船長役だ。
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