だといいな、

着信音で目が覚めた。今日は目覚めが悪い。
スマホ越しに聞こえる母親の震えた声。
なんて声をかければいいのか分からなかった。
沢山本を読んでるはずなのに、沢山言葉を知ってるはずなのにこんな時に役に立たない。
正解はどうですか？

閉められた首は苦しかったのか、泣き出しそうな目で見つめるしかなくてない。
死期が近い人間は私の理想とは裏返しで、声のないその人に何点なのか問いた人生の記録を。

ねぇ、私の声もいつか消えてきこえなくなるのかな。
なくなる前にもう一度だけ、酷い言葉達は本心なんかじゃないし伝えたいことも沢山ある。
ねぇ、その身を切り裂いて首筋に当てられたチューブは救いを求めてですか？それとも、終止符を打つためですか？
そろそろ時間切れみたい、だからもう行くね。