ドラマ

 仕事から帰ってきたのが10時半。昨夜のこと。

 仕事中に、ふと「いちごジャムが食べたい」と思ったので、帰りにスーパーに立ち寄った。あまおうのジャムを買って帰る。

 松坂慶子のドラマを見ながら、ソファで横になる。ドラマが終わった後ほどなく寝入ってしまう。夜中に起きて化粧を落として、歯磨きをして、寝る。

 今日は昼にテレビで「ベニスに死す」をやっていたので見始めるが、すぐまた寝てしまう。また見て、また寝る。この映画は映画館でも見たし、家でももう何度も見ているけれど、ビスコンティの映画で浮かぶのは別の映画たちだ。ただ、あのただならぬ雰囲気を醸し出すクローズアップ、今日はとても懐かしい気持ちで見た。

 午後から「佐々木、イン、マイマイン」、この1、2年。藤原季節という俳優の出演する映画を何本か見たが、その度にいいなと思う。細川岳という俳優も知った。物悲しい顔がとてもいい。カラオケのエピソードがとてもいい。河合優実ちゃんといえば「サマーフィルムにのって」のビート板。「プカプカ」を歌っている。朝までオールナイトで歌ってカラオケ屋の駐車場に出てくる、ビート板と佐々木とその連れの3人。夜の魔法が解ける明け方。カラオケ屋のネオンサイン。なんとも言えない絶妙の「間」が3人の間に生まれる。佐々木を演じる細川岳の友人の物語をベースにした物語。

 熟練の「小さいおうち」。美しい奥様の顔をたっぷり見せるわけでなし、昭和の、戦争へ向かうまでの、お手伝いさんがいるおうちの生活を、背景に散りばめていて、うつくしい。外交で戦争を回避できると思っていたのに、本当に戦争になったぞという空気。この映画はやはり松たか子だな。

 先日、河野裕子と永田和宏、歌人夫婦の物語のドラマを見た。前にもちょっとドキュメンタリーのようなものを見ていたが、今回は俳優が二人を演じるドラマになっていた。妻の若い頃の日記から、自分と妻が愛し合っていると思っていた時代に、もう一人の男性の存在があったことを知る。ほんとうに自分で良かったのか、と夫は今はいない妻に問いかける。

 事実は小説よりも奇なりという。事実であれ、フィクションであれ、ドラマは作り物である。脈絡のある物語にして、決められた時間内で語り終えるようになっている。捨てて、捨てて、捨ててできた余白に、なにも入れない。そういうドラマはどうやったら書けるのだろう。 

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