マダミス制作日誌 vol.5
▶マダミス制作プロセス
現状、あまりマダミス制作に関するノウハウが出てきていないような気がするので、参考までに自分の場合を記しておこうと思う。
まず、何から取り掛かるか?という部分に関してだが、自分の場合はワンアイデアから始まることが多い。
ある時「こんな場面、展開があると面白そうだ!」という情景がピン!と浮かぶ。そして、そこから膨らませていくのだ。
大体の場合、それはシーンなのだが、おそらく人によってはこれが『トリック』だったり、『キャラクター』だったり、『世界観』だったりするのだろう。そこから周辺に波及させていく。
私の場合は、
ワンシーンや展開
それが可能になるキャラクター
マダミスとしてのトリック
キャラクターが登場する世界観
という場合が多いが、時に思いつく順番が変わると、
面白そうなトリック
それが成り立つ環境、キャラクター
トリックによって起こりそうなシーン、展開
それらを取り巻く世界観
というパターンになることもある。
現状、大体この2パターンだろうか。
その後、②~④を行き来しながら、調整していくという感じだ。
ただ、よほどのことが無い限り、①を動かすことはない。その時、思い付いたアイデアの肝となるのが①だからだ。
いい方へ動かすのならともかく、②~④のために①を変えてしまうぐらいなら、そのアイデアは捨てる。
自分の中では、この①のアイデアがイケるかどうか?で、シナリオの面白さが決まると思っているので、それを活かすためにどう他の要素を変えていくかを考える。
▶シナリオ調整
おおよその要素が揃ったところで、各要素のバランスを調整していく。
まずは大体、人数と犯人役から。
なるべくモブが出にくいように、最低限の人数とその配役を決定する。
トリックが決まっているのであれば、大体犯人役は決まってくる。セオリー通りで行くなら、人数に応じて探偵ポジションと狂人ポジション役。あるいはそれらの割合を各キャラクターにどの程度混ぜるか?辺りを考えていく。
キャラクターが決定したら、人間関係図と簡単な個性を描く。それによって全体的な立ち位置と配役の舞台装置が決まってくる。
トリックも含め、犯行時の時系列は最も重要なので、時系列設定はそこを中心に考えていく。Excelの出番だ。
今度は、シナリオ全体の情報量やストーリー展開について考える。
折角マダミスという没入感あふれるゲームをするのだから、単調な推理謎解き展開ではなく、物語としてどうすれば盛り上がるのかを考えてみる。
さらにターゲットは初心者向けなのか、上級者向けなのか?推理重視なのか物語重視なのか?という部分もだ。
情報量に関しては、以前SNEさんのパッケージシリーズを調査してまとめた以下の目安を参考にする。
初心者向け→手掛かり4~5枚程度/人
中級者向け→手掛かり6~7枚程度+特殊カード数枚/人
上級者向け→それ以上+特殊展開、特殊キャラなど
それぞれのキャラクターのパーソナリティーを考えながら、所持品や手に入る情報の中身をリストアップしていく。
一度行ったのは、各キャラクターごとに容疑者パラメータを設定し、大体全員の数値が同じ程度になるような調整だ。怪しい人物は高くし、そうでなければ低くする。
また、『凶器』『アリバイ』『動機』の項目を設定し、犯人は全ての条件を満たすようにする。それ以外の人は最低限一部を満たすようにし、容疑を分散させる。
この辺りまで設定すれば、シナリオの大枠が決まってくる、というわけだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?