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芳香族化合物の化学(7)「置換ベンゼンの合成戦略」
有機化学の中でも芳香族化合物は構造,反応に特徴があります。
ここでは大学レベルの「芳香族化合物の化学」について解説していきます。
今回のテーマは「置換ベンゼンの合成戦略」です。
【配向性による置換反応の制限】
ニトロベンゼンに対する置換反応は配向性によりメタ位にしか置換基導入ができない。一方,アニリンはオルト,パラ位に置換反応が進行する。そのため,オルト/パラ置換ニトロベンゼンやメタ置換アニリンは直接合成できない。
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【ニトロ基とアミノ基】
ニトロ基とアミノ基は酸化還元反応により変換ができる。
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よって,メタ置換アニリンを導入するためには,ニトロベンゼンから合成を行えばよい。
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【アルキル基とアシル基】
同様にアシル基とアルキル基も酸化還元反応により変換ができる。特に金属還元のことをClemmensen還元と呼ぶ。
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これを利用することで,オルト/パラ置換アシルベンゼンやメタ置換アルキルベンゼンを合成できる。加えて,Friedel-Craftsアシル化はアルキル化と異なり,転移反応を起こさない利点も存在する。
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【不活性基による置換反応の阻害】
ニトロ基は強力な不活性基であるであるため,ハロゲン化などは進行するが,Friedel-Crafts反応を行うことができない。そのため,アルキルニトロベンゼンやアシルニトロベンゼンの合成の場合は反応させる順番が重要となる。
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【スルホニル基による立体障害】
立体障害の小さい活性基置換ベンゼンに対する求電子置換反応はオルト体とパラ体の混合物で得られる。
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【活性基の保護】
アミノ基の保護
アニリンやフェノールに対する求電子置換反応は過剰に反応が進行するため,一段階で反応を止める場合は活性基を保護する必要がある。アミノ基の保護にはアミド置換基で保護をし,塩基性条件下で脱保護ができる。
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ヒドロキシ基の保護
ヒドロキシ基の保護には塩基性条件下でハロゲン化アルキルでアルコキシベンゼンに変換し,濃強酸(HI)で脱保護できる。
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【参考図書】
ボルハルトショアー現代有機化学(下)
「芳香族化合物の化学」をまとめたpdf(power pointスライド)も作成しております。
ご希望の方がおられましたらコメントをよろしくお願いします。
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