猫のいる生活 その2
仔猫が拾われたのがちょうど大阪北部地震から一週間後のことで、その翌日には我が家に降臨しました。
何を用意すればいいのかもいまいち判らなくてぼんやり待っていたら、S家の皆様が至れり尽くせりの支度をして連れてきてくださいました。
もう絶対に足を向けて寝られない。
まずお母様のレクチャー。
取り敢えず小さい仔猫のための「ごはん」一式を揃えてくださり、
「この子、哺乳瓶でミルクが飲めないみたいなのでペーストの缶詰めをやってみてる。ペーストはシリンジ(注射器の針のついてない本体のほう)でやったら一応食べてるから。残りは持ってきたからこれをやってみてね」
おっと、その前に獣医さんでの診察の結果の説明がありました。
「体重は265gで小さいです。目はうっすら見えかけてる状態。明るいか暗いかは判ってるかなぁ?と。歯が生えかけててそろそろ哺乳瓶が使えなくなるのでペースト状の餌を食べさせてもいいです。あと、頭が大きい」
というところから、その後、ずっと推定誕生日を考えてみたけれど、どうもアンバランスで判らない。
眼がまだ膜を被ったような状態で、でも歯は生えかけてる。
哺乳瓶の乳首を上手に吸えない。というか実際にミルクをやろうとしてもミルクは欲しいけれど乳首を拒否するみたいな感じで飲ませられない。シリンジで「ちゅー」としてやると、貪るようにごっきゅんごっきゅん飲む。
床に降ろしてやるとよちよち歩くけど、あまりによろよろする。
推定7ヶ月の今になってみると頭が大きいのは身体がうまく育っていなかったのではないかと思える。(その後、暫くしてダニ駆除のために近くの獣医さんで受診したときには「頭は別に大きくはないよ」と言われました。)
S家のお嬢さんに拾われたのが地震の一週間後。
どうも育ち方が遅いというか充分でない。
一匹だけ街路樹の根元に落ちてた。
(拾われてからの夏が悪天候や猛暑などあり)
我が家のおかーちゃんとおにーちゃんは妄想する。
ひょっとして親猫が「この子はこのままでは育たん。ニンゲンに拾わせて育てさせよう」と考えて猫が好きな人なら見つけるであろう場所に置いたのではないか。(妄想ですよ妄想)
しかも、拾ってくれたお嬢さんは時々(どうしようもなく無視できずに)猫を拾ってしまう体質らしい。
それで大丈夫なのは「S家のお嬢さんたちが猫の里親を探しているなら仕方ないから協力して里親を見つけよう」というゆるーい協力体制ができているから。
人徳というやつです。
で、里親になるほうも「猫は時期が来たらお迎えできる」の法則があるようで、我が家にその時期が来たというわけです。
猫さまと同居したかったけれどなかなかお迎えできない間に
「できることなら何方かが里親をお探しのときに『近ければ』譲っていただこう」
と考えていました。
でも、全く知らない方からは難しいかなぁとか、遠いところの告知しか見つからないなぁとか(実際には同じ頃に里親を探している方が居たのですが私が気付かず、その方も敢えて声をかけるということはせず、で気付けば我が家に猫が居るということでした。その方もわりとお近くの方なので、これはもうわかんないやー。)などと思っていたので、ほんとわかんないやー。
そんなこんなで仔猫は我が家に来ました。
あ、ベッドを入れた段ボール箱もいただきました。そこには見たことがあるイラストの刺繍が。
「これはもう使い古しなので使ってください」と言われてほいほいいただいてしまうちゃっかり者のおかーちゃん。
これからも拾ってくれたお嬢さんとそのご家族の愛情の故に我が家でも可愛がって……可愛がって……(噛まれて痛い)
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