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お盆のお迎えと呼び出し

お盆も無事に過ぎましたね。
今年は準備も早め早めに済ませて滞りなくお迎えしてお送りしましたが、準備ができていても忙しいとは思わなかったですー。なんか思ってたのとちがいますー。(ここ十年ほどずっとお盆は忙しいのですが、今年はなんだかバタバタしてるのとは違う忙しさでした。)

お盆といえば、お寺にご先祖様の御霊をお迎えに行きます。
毎年予定の時間に出ても途中で渋滞したりでお寺に着くころには駐車場は満杯で、お布施やお花を一式持って運転する夫を残して塔頭に先に行って、水塔婆をいただいてから本堂に行くと法要が始まる直前か始まっているかという時間になっていました。


今年はちょっと違いました。
高速道路に上がると事故渋滞とか自然渋滞とかあっちこっちで渋滞の表示が出ていて、自分たちの車が向かう先にも渋滞表示が出ていて、これは今日も時間的には厳しいかなと言いながら走っていました。
あ、家を出る時間は予定通りでした。支度は前日には完了していたので忘れ物もなく、落ち着いて出かけられました。(ここからして例年とは違うのです)
表示のわりには渋滞も酷くなく、お寺には予定の時間に到着しましたが、いつもはお寺の門前の道が車でビッシリなのに一台も車がいません。
山門を通ってすぐの駐車場に車を停めることができました。(なにかの奇跡?)
塔頭に挨拶をしてお猫さまにも挨拶をして本堂へ向かうところでお参りの方の会話が耳に入ってきました。
「法要は9時半から」
あれ?おとーさん、さんじゅっぷん早いですよ?(それはそれで奇跡)

本堂に入ると塔頭ごとに座る場所が決まっていて一番前の仕切りのところに座れました。扇風機も近いです。(そこかい)

そろそろ始まるかとご本尊さんのほうを見てたら寺男さんがひょっこり出てきてごそごそやってらっしゃる。どうやら蝋燭を出しているようです。
ご本尊さんのまわりにある廊下のようなところの外側の柵のところの赤い蝋燭を外して(おや、電気のケーブルが見えますね)白くて大きな蝋燭に火を点けて燭台に。それを両側やり終えると寺男さんは奥に引っ込みました。
私たちの居るところの柵の内側では法要の準備が進んでいます。
法要が始まる前にもう足がしびれてきました。

どこかの塔頭の住職さんがマイクで法要が始まることを告げて、いよいよ始まります。
声明やお経などが続いて散華になるとそろそろ檀家のお焼香ですが、散華が一枚真っすぐにこちらに飛んできました。(あんまり檀家が座っているところには飛んでこないのですが)
それぞれの塔頭ごとに分かれてお焼香をします。(足がーしびれてー)

法要も滞りなく済んで、今度はお墓にお参りします。
お墓の入口で水塔婆にお焼香とお水をあげてから墓地に入ります。ここもいつも人が詰まってすごいのですが今年はするするっと通れました。
お墓の前に行くとお水を汲みに行っている夫はまだ来ていませんでした。
お墓のところに来る通路の端からこっちを見て私が居るのでちょっと驚く夫。いつもは本当にのろのろで夫を待たすのですが今年はどうしたことか先に到着していました。

お墓にお水とお花とお線香をあげて水塔婆を置いたらお参りは終了です。
お昼には少し早いのですがごはんを食べて帰りましょうk
「ちょっと早いけどごはん食べたらお出かけしよう」と夫。
「摩耶山へ」(ぇー

摩耶山は今年が33年に一度の秘仏ご開帳だそうで、夫はお迎えのついでに摩耶山に寄るつもりだったようです。
「階段はあるけどちょっとだから、かーちゃんも一緒に上がってご縁をいただいたらいいよ」とか言いながら摩耶山へ向かいました。

実は阪神間で育った私は摩耶山が気になっていましたが行ったことはありませんでした。電車で行くにしてもロープウェイだかケーブルカーだかで上がらないといけないので遠いのですよねぇ。
車で行けば楽かというとそれはそれでくねくね道を上がっていくのでなんとも。
「階段はむーりー」とか言いながら駐車場に着いてみると木陰もなくとにかく暑いのとなんとなく心細いのとでついて行くことにしました。

階段はあるけど段数は少なくて、夫は先に上がって行くけど時々後ろを振り返ってちゃんと来てるか確認しながら上がって行きました。(普段は振り返ることなく置いて行きます)
あと数段上がると正面は壁になって、そこから左に曲がってまた数段というところまできて一休みしていると夫が左から下りてきて「まだ10分あるから間に合うよ」と。様子を見に来るなんてどうしたのかと思いながら、特別開帳の法要に間に合うなら間に合ったほうがいいなと残りを一気に上がると綺麗に整えられたこじんまりとしたお寺が。

実はここ、昭和51年に火災で焼失しているのです。
古いご本尊像から何もかも焼けてしまって全部新しく作り直しています。
まだ新しいのでそれはそれは美しい十一面観音像や佛母摩耶夫人(ぶつもまやぶにん)像などが見られます。(ここが摩耶山なのは摩耶夫人から名がついたと知って驚く。不思議だったのですよねー。なんでお釈迦さまのお母様の名前と同じなのだろうと。しかも空海上人が関わっていたし……あら、何人にも呼ばれているじゃないの)

ご住職の法話のあと結縁紐に触れながらお参りしました。
夫がどうしても行こう、今日行こう、特別開帳があるから行こう、と熱心に言ったのは夫が私を連れて行かねばならなかったのでしょう。

特別なお守りをいただいて、階段も無事に下りて帰路につきました。
毎回恒例の迷子にもなりかけたけど、結果として高速道路の混雑を迂回できたので快適に帰ってこられました。

夜にはお迎えだんごを供えてお迎え火をたいて、なんとなく忙しいお盆に突入です。

そして無事に送り火もたいて今年も夏が終わります。

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