髪を切った金曜日の話

 僕は同年代の人間と比較すると、どちらかというとファッション的なものには興味がない方だと思う。まだ、大学院生ということもあり社会人ほど身だしなみにうるさい環境にいるわけではないというだけかもしれないが。しかし、小学校の時は服の前と後ろをしょっちゅう間違っていたし (これは僕の特性かもしれないが)、制服を着崩すようなタイプでもないし、ワックスを付けるようになったのも大学生になってからだから、どちらかというと興味がない方なのだろう。
 特に大学院生になってから、そこらへんに関する興味というか関心というものはさらに急速になくなっていった。一応、年頃だったので学部生のころはパーマを当てたりしていた時期もあったんだけど。その要因としては、コロナで研究室にしか行かなくなったことと、単純にお金がないことがある。だいたい生活費が7万円だったので、家賃やら食費やら保険やらでかなりきつきつだ。週末のラーメンと缶ビールだけが楽しみだった。そんな状況だったから、大学院生になってからは髪は半年に一回、2000 円のところで切ってもらうだけだった。けっこう、ぼさぼさ頭で過ごしていた。僕のくせっけがそれに拍車をかけていたとも思う。後半の方は襟足がすごいことになるし。服もほとんど買っていない。調査用の登山道具を除いては。たまに実家に帰った時にシャツをユニクロで買ってもらうくらいだった。自分の金で洋服はほとんど買ってないんじゃないか?。弁明をしておくが、オカンの選んだ服を着ているようなマザコンではない。せっかく帰ってきてるんやしほしいもの買おうか?、といわれたので必要最低限の服 (穴が開いたとかもろもろ)を買うお金を出してもらっただけのことである。働けばええやん、という突っ込みがあるだろう。しかし、働くか髪を切らないか余計な服を買わないかとかと働くことを天秤にかけたら前者を選ぶだろう。研究がしたいし。
 しかし、そんな働き不精の僕にも実入りのいい研究所バイトの話が舞い込んできた。一日、1万円程度もらえるらしいとのこと。いろいろ、スキルも学べそうだしということで働くことになった。そんな、ひょんなことから今月はお金に余裕がでてきた。とりあえず、アマゾンカートにたまってた本を買って残りは何に使うか?学振の発表まじかでメンタルが不安定になっているし、ここは髪をきって、余計な服を買って気分を変えたほうがいいのではと思い立った。早速、普段の2倍の4千円の美容室を予約した。いつもは、前髪が鼻までつくくらいから、短髪くらいまでに切ってもらうのだが、せっかくだから学部のころに似合うとほめてもらったツーブロックのマッシュにしてもらった。少し、好青年になった気がする(笑)。その足でユニクロに行って気に入った茶色いシャツを買った。洋服は足りているのだが買った。次に、無印で靴と化粧水をかった。シャツと靴をその場で履いてみた。なんか、外見だけでなく、気分も変わった気がする。学振の結果の妙な不安感も少し減った気がする。身だしなみとかを変えるって効果があるんですね。
 院生になってきてから身だしなみとかを気にしなくなってきてたけど、少しは興味を持った方がいいかもしれない。そんなことを思った金曜日でした。

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