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強くてやさしい農業をつくりたい

大学に進学して3年間、農業に関わる様々な方々にお会いしました。見渡す田んぼすべてに作付けする大規模農家さん、山奥で自然農を実践される元教授、「畑で自分を育てている」とおっしゃる集落の方、先祖代々の土地を守っている兼業農家さん、山奥で自給自足の生活をしている方、無肥料無農薬の自然栽培で付加価値を生み出す農家さん、農福連携を実践される組合の方、新規就農で産地でバリバリ儲けていくことを目指している方、市民農園を運営する社長、観光農園の園主さん…。

関わりの深さは様々ですが、それなりに多くの農業の側面を見ることができました。

この他にも地元では耕作放棄地を開拓したり、自然農法に挑戦したり、大学のサークルではサツマイモや野菜を育てて、加工、出荷したりなどなど、農業にどっぷり浸かることができました。「気が付いたら畑か田んぼにいた」そんな2年間だったような気がします。

3年経って、ようやく自分の目指す方向が見えてきました。表題の通りです。自分は「強くてやさしい農業」をつくりたいのだと思います。

これまで「持続可能」とか、「代替農法」とか、「アグロエコロジー」などの言葉に惹かれていたのですが、なんか違うなというか、自分の言葉じゃないなと思い、オリジナルな概念を考えていました。すごくザックリとしたワードですが、一番しっくりきたのが「強くてやさしい農業」でした。

ここからが本題です。強くてやさしい農業とは何なのか。

まず、「強い」と「やさしい」について自分の考えを記します。

強い農業とは
自立して経営できること、稼げること、おいしい農作物をたくさんつくれること、安定した栽培技術を持つこと、災害の被害をうけにくいこと

やさしい農業とは
様々な人をいろいろな形で受け入れられること、多くの人に開かれた農地にすること、子どもたちをはじめとする次の世代の学びの場になること、環境にやさしいこと、生物多様性が高いこと、災害の影響を抑えられること

といったことだと考えています。そして、この2つは実は根っこのところでつながっていて、どちらの概念も相反するものではなく、互いに補完し合うものだと思います。

したがって、強くてやさしい農業とは、
安定して栽培ができ、かつ、環境負荷的にも経営的にも持続可能である農業で、さらに、多くの人にとって拠り所となるものと考えます。

これから気候変動によって災害がどんどん頻発するようになります。化石資源は当然枯渇しますし、外国との関係もうまくいくか不透明な状況です。さらに国内に目を向けると、農村からは人が減っていき、日本全体としても人口が縮小していきます。そんな中で、農業が強くてやさしいことは大きな意味を持つと考えます。

強くてやさしい農業から、強くてやさしい地域をつくり、最終的には強くてやさしい国、世界をつくれたら…。やや壮大ですが、そんなことも考えています。

目指すところが決まったわけですが、アプローチは無限にあります。今はせっかく、大学にいるので、ここから3年ほどは主に研究という方法で「強くてやさしい農業」をつくるお手伝いができたらいいなと考えています。また、余力をなんとか作って、地域社会の中でも関連した企画を行っていければと思います。

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