レベルアップの音が聞こえました。

私はこれまで投資で1000万円損失を出してきました。投資は2016年から始めました。損失のざっくりとした内訳は米国株 約600万円、為替 約400万円です。今まで年はおろか月単位でもほとんど買ったことがありません。勝ったとしても、次の月には、だいたいその倍は負けてきました。

仕事の時間を犠牲にしたり、また早起きをして、さらには家族の時間を融通して、できる限りの時間をチャートに張り付いてきました。取引手法は、デイトレを主として、スイングとスキャルピングのいずれもやりました。

スイングは、下落時に反発を期待して、逆張りのロング。大抵、そのまま突き抜けてしまうので、狭いナンピンを繰り返して、信用枠をあっという間に使い切ってしまいます。精神的に厳しいのですが、そのまま大きな含み損を抱えたまま、ホールドします。その結果、追証を喰らうか喰らわないかで、結果的に切らされて大きな損失を計上します。いわゆるドカンです。
また、反発したとしても、すぐに利益確定してしまいますので、相対的には、利益金額が大きくないですが、レバレッジを使っている分、普通のサラリーマンが得られる金額よりも幾分も大きいので、何度大きな損失が出ようとも、幾らかの利益が出た際には、大きな快楽を感じていたように思います。

一方でスキャルピングは、去年からテスタさんを目標にこれまで何年か取り組んできました。YouTubeを見ては、出来るだけテスタさんのような取引を心掛けましたが、これも上手くいきませんでした。まず3分足でチャートに張り付きます。順張りを心掛けていたのですが、なぜか気付いたら逆張りのポジションになっていて、それも信用枠パンパンにナンピンを重ねて、結果的に身動きが取れなくなり、含み損がとても大きくなってしまい、損切りできず、そのまま追証もしくは資金を残そうと思って自分で思い切って嫌な思いをしながら損切りしてきました。これまでよりも少し自分の中で上達したような気もするのですが、結果的には、コツコツ勝っても、最終的に大きな損失を計上してきました。

そんな折に偶然、Twitterを通じて とりっぴさんという方を知りました。最初は胡散臭い名前で商材屋かなと思いましたが、彼の周りには、有名な株クラが多いことから、おそらく現役のトレーダーではないかと思い、彼の発言やNOTEを研究しました。要約すると、彼は現物取引を勧め、それはこれまで見たり聞いたりしてきたトレーダーとは一線を画すものでした。現物で取引することで、損失を限定し、ギャンブル脳から脱却する、というのを基本的なスタンスにしています。最初、そんな方法では儲からないだろうし、そもそも折角4倍まで信用枠があるのに、それを使わないのは勿体無いのではないだろうかと懐疑的でした。しかし私はハッとしました。これまで私が負けてきたのはなぜだろうか。チャートにはきちんと張り付いてきましたし、資金管理だってきちんとやってきたはずでした。その全ては信用取引が原因ではないかと思いました。信用枠は毒饅頭のようなもので、4倍まで資金を使えるので、とんでもない金額を取引できます。ちょっと含み損が出てしまっても、それを救済しようとすれば高確率で救済できます。ニューヨーク時間はトレンドが一方通行なことが多いのですが、それでも99回は助かるのかもしれませんが、1回のとても大きな損失を出してしまいます。そんな大きな含み損は切れるわけがなく、大抵の場合、翌日以降に持ち越します。スキャルピングなので、100回のうちの1回というのが、結構、高確率で発生します。1%という確率はなかなかに高いなあと実感しています。さて、最終的にはその含み損に耐えられなくなって、半ばパニック状態で思考停止&手が止まって何もできなくなり、精神的にキツくなって、ナンピンしてピンチから抜け出そうとしていましたが、エントリーの方向がそもそも違っていますので、助かるわけもなく、大きな損失を計上しました。そして、その後、何が起こるのかといえば、とてつもなく大きな損失を取り返そうとして、勝てる馬ではなくて、オッズにフルベットして、さらに大きな損失を計上するという悪循環にハマってます。これらに共通しているのは、信用枠を使い切った挙句に、大きな損失を計上してしまっているということでした。

信用枠を使い切らずに当初のルール通り損切りできれば良いのですが、取引に没頭すると、つい熱くなってしまいますし、損失を計上したくないという強い思いからか、ナンピンすれば助かるしれないと思えば、どうしても切れなかったです。また信用枠を使えばスーパーパワーのような感じがして、安いところで買えれば買えるほど含み損が減るような錯覚から精神的にその瞬間はとても楽になりました。あと当たり前なのですがナンピンすれば含み損が雪だるま式に膨らむので金額を目の当たりにすると切れるわけもありませんでした。なお、ナンピンのタイミングも値頃感や自分の精神がキツくなってくるとする傾向があり、信用枠を計画的に使うということは自分には無理でした。お金を目の前にすると、精神的におかしくなってしまうのか、ルールでは信用ナンピンしないと決めていたとしても、ついついしてしまいました。自分のルールを破った時のルールも設定しましたが、お金の魔力には勝てず、ズルズルと振り回されてきました。私がテスタさんだったら、こうもいかないのでしょうが、私には無理でした。

レベルは月とスッポンでしょうが、とりっぴさんも以前、同じような体験から現物取引を原則とするようになったと書いてありました。これが腑に落ちた時には、頭の中でまるでゲームのレベルアップの音が聞こえたようでした。

現物取引するということは結果的に利益を伸ばすことになるので、負けにくくなるのではないかと思っています。信用枠を使えないようにはしていませんので、使おうと思えば使える状況です。取引銘柄は一つではありませんし、また本当にチャンスの時には大きな勝負をしようとも思っていますので、そこは自分を強く律して、現物取引を原則とすることをルールの柱としたいと思います。

今日も相場で大きく負けましたが、明日からの相場が楽しみになりました。


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