確かにアイなのだ

常社会の脇道を生きる少女と脇道に転がされた少女。

脇道の生き方が分からなかった転がされた少女は脇道の少女の後ろについた。

脇道の少女はとりあえず手をひいた。なんだかしっくりきた。

脇道にも分岐点はいくつもある。二人の選択はいつも違う。

じゃあね。

片手を挙げるだけで、また今度ね。とはどちらも言わない。

脇道を生きている少女はいつでも自由を探している。

だから、何も持っていない。

転がされた少女は気ままに生きたい。

でも、周囲の雑事がそうはさせてくれない。


そろそろ、手が寂しいな。

何も考えたくないな。

二人の口癖は

「誰かを想う余裕なんてない。自分のことで精一杯。」


ひさしぶり。

いつの間にか隣にいて、手をつないで。

親友や恋人なんて既存の関係は陳腐に思えて。

脇道を生きている少女はとなりの少女を見てただ想う。

これは確かにアイなのだ。




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