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令和2年12月4日 25

光が丘警察に着いた頃にはフミオ(BAKEY・ICEDYNASTYののメンバー)が既に到着していて、状況を理解出来ず、俺とRAW-Tは何があったのかひたすら捲し立てる。だが俺らも全く何が何だかさっぱり分からなかった為、若干言い合いになりつつとりあえず中にはいっていくとMIRAの弟がいて、俺とRAW-Tは取調室へと向かう。警察から事情を説明されると同時に俺らが最後に会った時の状況や様子を聞かれてやっと話が読めたというか、どんな状況なのか理解することが出来た。

どうやらMIRAはコンビニでコーラ3本とスイカバーを買ってそのままRAW-Tの家には戻らず、タクシーに乗って光が丘に向かったらしい。そして駅前の団地へ。最後に母親に電話をしたらしいが何も喋らずに電話を切り、そのまま飛び降りたとのことだった。特に事件性があるわけではなく、唯一謎なのが履いていたエアフォース1が見つかっていないことぐらいで、俺とRAW-Tは話が終わったと同時に署の霊安室へと通されそこでフミオと合流して中へと入って行った。

顔にかけられた白い布を警察が取り、見えたMIRAの顔は傷一つなくただそこに眠っている様だった。つい何時間か前まで話していたのが嘘のようだが、MIRAを目の前にして俺らはようやく「仲間の死」というものを実感し始めた。言葉にならない声と共に涙が溢れ出し止める事なんて出来ようもなかった。それも今日は皮肉なことに俺らの初のEVENTであり、初LIVEの日だ。顔を合わせると同時にMIRAの実家の団地に移動するとのことで俺らも一緒に向かい、そこに別で話を聞いてきた仲間が集まっていた。状況を説明すると同時に、色々な感情が取り乱れる。気が付けばそとは暗く、夕方になっていた。

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