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カグヤヒメ

原作、脚本
梵天彪雅





ナ 紀元前731年 イズモノクニはイズモの覇権を狙うヤマトノクニの長、イワレビコノミコトに攻められ、最早、空前の灯火であった…

イワレビコが剣を持って登場。ナガスネヒコが付いてくる。

イワレビコ『スセリビ!何処におる?!
あの美しき姫を我が妻にせねば!』

スセリビヒメが走って来て転ぶ

イワレビコ『おお!目が!目が!眩しい!転んだ姿もまた、美しいスセリビ!其方が我が妻にならぬので其方の国を攻めてしまったぞ!』

スセリビヒメ『うぅぅっ泣……なんと、勝手なお方じゃ……私はそんな勝手で乱暴な人の妻にはならない!』

スセリビが小さい刀で首を切ろうとするが
ナガスネヒコが止める

イワレビコ『ナガスネヒコ!おお!よう、止めた!流石我が自慢の家臣じゃ!ヒメをこちらへ』


イワレビコが手を差し伸べるがナガスネヒコが剣先をイワレビコに向ける

イワレビコ『なんじゃ!貴様!このワシに剣を向けるということはヤマトノクニを裏切るということじゃぞ!
わかっておるのか!?』

ナガスネヒコ『武器を持たぬ女子(おなご)向かって剣を向ける輩をワシは主とは認めん!』


イワレビコとナガスネヒコの殺陣

ナガスネヒコが足を切られるが
砂をかけるフリをしてイワレビコが後ろへ転ぶ

イワレビコ『クソっ!見えぬ!ナガスネヒコ!ゆるさぬぞ!』

ナガスネヒコ『さ!早く逃げようぞ!スセリビヒメ!!』

ナガスネヒコとスセリビヒメが退場する


ナ紀元前748年
ヤマトノクニ アマノカグヤマ

ハハカの木の前で占いをするカグヤヒメ

ナガスネヒコ『…イズモノクニが滅ぼされ17年、、、あのイワレビコから長く逃げて参ったがワシも年じゃ、、、』

カグヤマノミコト『安心されませ!父上、、
昨年、病にて亡くなられた母上の血をカグヤはしっかり受け継いでおりますれば…』

カグヤヒメ『…父上、兄上……残念ながらイワレビコが軍を率いてこのアマノカグヤマに向かっておりまする……』

ナガスネヒコ『ワシが其方ら兄妹を守る故、逃げれるところまで逃げよ!』

カグヤヒメ『何を申されまするか!
弱気になってはなりませぬ!』

イワレビコが走って入場

イワレビコ『漸く見つけたぞ!ナガスネヒコ!スセリビヒメを差し出せ!……お?!
誰じゃ、其方は、美しいのぅ……』


カグヤマノミコト『ならん!妹に手を出すな!』

イワレビコ、カグヤヤマノミコトが戦うが
カグヤマノミコトが窮地に陥るのを
ナガスネヒコが身体を張って助ける。

カグヤマノミコト『ち、ち、、父上!?』

ナガスネヒコ『イワレビコ…ワシらの子らには手出しはさせぬ!!我が命に変えて!!』

カグヤヒメ『もう良いです父上、私がこの方の妻になりましょうぞ、、、イワレビコ殿、
、、』

カグヤマノミコト『ならん!行ってはならん!』


イワレビコ『おお?!ウホホホ!スセリビヒメより美しき女子じゃの』

カグヤヒメ『イワレビコ殿、妻になるとはいえ、、亭主関白はいやよ!』

カグヤヒメ、イワレビコの殺陣

イワレビコがメロメロになってカグヤヒメに負ける

カグヤヒメ『私が貴方より強いのわかった?』

イワレビコ『は、はひぃ!!わ、わかりました!女王様!!』

カグヤヒメ『私は女王ではなく、貴方の妻、
だからヤマトノクニは私のものでいい?』

イワレビコ『え?!い、いや、流石にそれは!ワシの威厳が…』

カグヤヒメ『威厳?あるわけないじゃない笑
貴方は私に負けたのよ…ふふっ』

四つん這いになるイワレビコの背に座るカグヤヒメ

ナガスネヒコとカグヤマノミコトが笑う

ナ こうして、ヤマトノクニに滅ぼされたイズモノクニの美しきヒメ、カグヤヒメはイワレビコを尻の下に敷いてクニを納めたそうな…

これが日本最初の妻の尻に敷かれる夫の始まりだとされる……

諸説あり
                             完

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