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海亡人

原作 梵天彪雅

1581年 伊賀國

織田信雄率いる5万の軍勢が伊賀國に迫り来る…
織田信雄『伊賀の北側から柘植口から丹羽隊、滝川隊が攻めよ!   同時に玉滝口から蒲生隊、脇坂隊、多羅尾隊堀隊、伊賀の西側にあたる笠間口から筒井順慶隊、初瀬からは浅野隊が攻めよ!』

織田信雄『計、六方向より伊賀國を殲滅す!
蟻一匹も逃すな!揉み潰せ!』

1581年9月6日 深夜
比自山 織田軍 蒲生隊本陣野営地

滝野吉政『かかれ!』


わぁーわぁーーー

シャン!シャン!シャン!

筒井順慶『な…な!何ごとじゃ!?』

筒井兵『伊賀の忍びの夜襲にござりまする!』

筒井順慶『卑怯な!迎い討て薙ぎ払え!』

海神海琉が実に10人の兵を瞬殺していく…

海神海琉『わしらの忍びの里に手出すからじゃ笑』

海琉は伊賀衆比自山七本槍と共に戦い
筒井隊1,000人、同じく比自山で野営していた蒲生氏郷が率いる蒲生隊1,000人を討ち破った。



9月7日  未明


筒井順慶『我らはこれより夜襲を掛けし卑怯なる伊賀の忍びをことごとく根絶やしにする!』

嶋左近清国『我らが標的は伊賀衆の拠点、平楽寺!!かつて、平清盛公が建てし大寺院よ……』

松蔵右近重信『皆の者!ゆめゆめ油断めさるな!女子、子全て皆殺しにせよ…』



筒井順慶の軍勢、蒲生氏郷の軍勢が昨夜の伊賀衆の夜襲に激怒し伊賀の忍の拠点、平楽寺を攻め……

海神笑美『海琉!早く逃げて!』


海神海琉『わらびー!!お父っぉ!』


海神武義『お父っぉもお母っぁも元は伊賀の上忍じゃ!任せとき!』

パァーン

海神武義の眉間に火縄の弾が当たり貫通し
武義が討たれ倒れる。

海神笑美『あんたーー』

海神海琉に筒井兵が10人襲いかかる

海神笑美が海琉の盾となり滅多刺しにされれながら10人の筒井兵を討ちとる。

海神海琉『わらび…死なないで……あたい、今までずっと生意気言って来たけど…
忍ごっこやめて良い子になるから……』

海神笑美『やめてよ笑……良い子になるなんて……生意気なところも全部含めて、それが海琉の良いとこよ……ぐっ、うぅぅ…』

海神海琉『わらび!!……しっかりして!!』

海神笑美『お母っぁは、お父っぉと先にお空に行くけど海琉…貴方は駄目、生きて、生きて幸せになるのよ……』

笑った顔で息を引き取る海神笑美

海神海琉『お、お、おっかぁ?……嘘だよね…おっかぁ!!!あたいの幸せは家族で一緒に暮らすこと!それ以外の幸せなんて……わぁ〜ん泣』


更に迫り来る筒井兵100人の前に海神海琉が立ち上がり…

海神海琉『おまえらが!!死ねー!全員死ね!』

海神海琉が覚醒し100人全員を斬りまくり
薙ぎ払い筒井順慶がいる本陣へ乗り込むが
1,000人以上の兵に囲まれる。


筒井順慶『気に食わん目をしよって!殺れ!』

嶋左近清国『は!』

カァーン!

激しい金属音が鳴り響き、海琉に振り下ろされた嶋左近の刃が弾き返される

石川五右衛門『かぁーカッカッカッ!よう、生きとったな!海琉!笑美と武義はどうした!?』

海神海琉『……』泣く

石川五右衛門『……そうか…辛かったのぅ…
安心せい!今日から儂ら石川党が其方の家族じゃ!』

五助『だぁ〜んなぁ〜〜早く逃げましょうよ』

石川五右衛門『情けね〜声出しやがってそうだな……五助も海琉もいるから今は逃げるか!』

                            ドロン!
小爆発と共に白い煙に包まれ逃げる石川党

時は流れ

1594年 伏見……

海神海琉は石川党と大義ある盗みを働きながら織田兵や豊臣兵と転戦し今や上忍となって石川五右衛門を支える実力者になっていた。

海神海琉『おい!五右衛門!あたいは、わらびとお父っぉの子なんだ!泥棒ばかりやってらんねぇよ!猿切っちゃおうぜ!』

五助『ひぃ!姉さん怖い!』

海神海琉『いや、あたい五助より年下なんだけど💦』

霧隠才蔵『五右衛門の兄貴!猿の居場所がわかりやしたぜ! ココです。』

海神海琉『!?という事は五右衛門!殺る気だね?本気なのかい?』

石川五右衛門『なんだ海琉!猿を斬るってぇのは冗談なのか?びびっちまったのか?!』

海神海琉『な!だれがびびるもんか!筒井が病死して、信長が死んでお父っぉとわらびの仇を獲る奴が秀吉に変わっちまったんだ……
やるしかないだろ!』

五助『あわわわ…』

石川五右衛門『そうだよなぁ〜…石川党!
やるぞ!』

海神海琉の睨み顔

                            完

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