一寸文學 其ノ七

画像1 離婚後、初めて実家に帰った。実家と言ってもわたしは住んだことのない居心地の悪い2LDKのマンション。母はどこかに出かける準備をしていて真一との離婚について何も無い、責めることも無ければ気遣う言葉も無い。昔からそうだった。父が家から出って行った時もわたしはひとりで不安と闘っていたのを思い出した。新しい住所と新しい職場の連絡先のメモを置いて塔子は静かに鉄の玄関ドアを開けて家を出た。錆びた音を立てながらゆっくりとドアが閉まる。

僕の行動原理はネガティブなものが多く、だからアウトプットする物も暗いものが多いいです。それでも「いいね」やコメントを頂けるだけで幸せです。力になります。本当に有難うございます。