king of pop 2018/9/9 Artist紹介③ Double Clapperz 【bass/grimeを手に世界の風を体感している彼らへのインタビュー】
2017年ベスト・ミュージック・シティを選ぶとしたら、それはアトランタではなく、間違いなくロンドンだろう。そこでの主役は誰か。どんな時代も英国ポップ音楽を更新させてきたジャマイカ移民たちの末裔だけではない。ナイジェリアやガーナからのアフロ・ディアスポラの二世、三世たち。そして、彼らの同胞たるワーキング・クラスの白人たち。つまり、人種混交の街、ロンドンそのものが2017年の主役だったのだ。
(田中宗一郎 2017年サインマグベストアルバム 5位 J Hus/common senseレビューより→ http://thesignmagazine.com/sotd/50-best-albums-of-2017_1-5/ )
…というあの人の言葉から始めよう。そして、stromzyとJ Husの登場だけでなく、SPORTS TEAMやHMLTDの登場でインディロック界も面白さを増しているUK。十年前のような謎の爆発が起きるまであと少しかもしれないし、もうそれはおこっているのかもしれない。
なにがともあれ、こういった爆発が起きる前から、UK GrimeとDubstepを熱心に追いかけ、ベースミュージックに貢献してきた二人が、このDouble Clapperzだ。彼らからいただいたプロフィールを見ても、Skeptaと共演、自身が主催するIce Wave Recordsの売れ行き、そして何より今年、2018年夏、中国・イギリスなど3か国6都市をめぐるツアーを彼らは行った。
一聴してわかる強力なBASS。しかしそれだけではない側面を、今回のインタビューでは聞き取れるはず。shintaはele kingで執筆もするようになり、より様々な見聞を知を得ていっている。俺自身もいろいろ付き合いが長く、イベントにも俺なんかの呼びかけにもよく来てくれた。彼らをking of popに呼んだのは今こそのタイミング。彼らのワールドワイドな風をつかんでほしい。
Q. 7~8月のツアー誠におつかれさまでした!
日本以外の場所を巡られて、各国の感触を聞かせてください。
海外だとタイ、中国(北京・深圳)、ロンドンに行きましたが、どの場所も刺激的でした。中国やタイといったアジアの国は街に若い人が多く、音楽好きからパンクスまで様々な若者がクラブに遊びに来ていて活気がありました。ロンドンはウェアハウスやホームパーティ、カーニバルなどクラブ以外にも日常的にラップやクラブミュージックが流れている場所があるのが印象的でした。
Q. ひるがえって、日本での感触はどうでしょうか?ざっくり、国内の音楽の状況をダブクラなりにどう考えてるか教えていただければと思います。
A. ラップの勢いを各地で感じています。日本のラップはもちろん人気ですが、グライムやアフロビーツなど、UKの新たなポップカルチャーが若いヒップホップファンを中心に徐々に浸透してきているという感じがしました。DrakeやSkeptaのヒットをきっかけに、幅広いファンに認知されている感じがします。東京だけでなく、各地で知られてきているという印象です。
Q. Sintaさんに伺います。最近ele-kingでの執筆活躍も、しっかりと見ております。この執筆をすることで、何か創作・DJに影響・変化などはありましたか?また、elekingの他のライターさんで注目してるライターさん、あるいは記事がありますか?
A. リリックや音楽が生まれた背景について考えることが増えました。近年アルバムのリリース量は減っていますが、アーティストの人生がにじみ出ているようなアルバム作品には特に時間をかけて向き合うようになっています。ele-kingでは、友人でロンドン在住の高橋勇人さんの文章には注目しています。最近のChino Amobiのインタビュー(ele-king vol.22に収録) は凄かったです。ネットではArcaのインタビューを見ることができます。
http://www.ele-king.net/interviews/004119/
また、ファッション・グラフィックの批評の分野ですが、Olivia Whitttickのように今の人々の気分を作品との関係の中で描ける同世代の批評家には影響を受けます。
https://www.ssense.com/ja-jp/editorial/fashion-ja/user-experience-gucci-soho
・UKDさんに伺います。
最近ダンスホールイベントでもDJをしてらっしゃいました。勿論UKにおいてベース系音楽とダンスホールは近い関係を気付いていると思いますが、他に、今ベース以外で面白いと思っているジャンルなどありますでしょうか?
A. ダンスホールだけでなくSteppers (NewRoots Reggae)、PANやBlackestEverBlackからリリースされるようなエクスペリメンタル等も好き
で良く聞くんですが、レゲエもエクスペリメンタルな音楽もHipHopも全てダ
ンスミュージックorベースミュージックと捉えた聞き方をしているので、ベースミュージック以外と言われると特に思いつかないというのが正直なところです。Grime以外という括りであれば、ここ数年のDubStepがダンスミュージックで一番面白く自由なアイデアを持っているアーティストが多いとは感じています。
・「希望」を教えてください。今現在の身近にある小さな「希望」で構いません。
A. ポジティブな人間なので常に希望を持って生活していますが、小さな希望で言えばパーティーは日本各地・世界各地に存在するという事です。特に直近のツアーやOUTLOOK FESで、今まで東京ですら孤独だと思ってやってきたことが、「そうじゃなかった」と目に見えてわかったのはこの先の活動においての希望です。
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