見出し画像

懺悔

 僕は悪い人間です。もう死んでるから人間じゃないだろうと思われそうですが、とりあえずそう書いておく事にします。

 僕は親しい間柄の友人達を、「寂しかったから」というつまらない理由で激しく傷つけました。それが原因で何ヶ月も苦しむ人も出てきました。現在進行形で激しく苦しんでいる人もいます。

 だから生前の僕は死を選び、地獄にいるのです。

 

加害者意識とは

 「被害者意識」という言葉はよく聞くでしょうが、その反対はあまり聞かないと思います。僕も調べるまでは自分の造語だと思っていました。

 この加害者意識があると人は自罰的になり、罪悪感から抜け出せず、激しい苦痛を感じる様です。

 さらに「こんな自分がいてもいいのか」、「幸せになる資格があるのか」と自分を疑って、取れるハズの幸せを掴まなくなります。誰も幸せにならない選択をしてしまう訳です。結果感情が麻痺して、ポジティブな感情を感じられなくなるんだとか。

 人を傷つける側も傷つく。公平なシステムですね。

加害者意識が僕にもたらしたモノ

 死後はひたすらアンガーマネジメントの勉強をしました。高い教材も買いました。これで下らない事で怒る事などそうそうない、一見すると穏やかな故人になれたと思います(僕の怒りはいつも寂しさや孤独感から来ていた様です)。

 ここまで加害者意識はプラスに働いていました。ですが奴は僕が落ち着いてから、ようやく牙を剥き始めたのです。

 上手く声が出せなくなりました。「何か話すと誤解を招いて傷つけてしまうかもしれない」という心理が働いているのだと思います。

 次に、前よりも諦めが早くなりました。

 友人達とは二度と元の関係に戻れないだろうと思います。

 今の僕には誰も救えないと思います。

 パートナーからは嫌われているか忘れられている気がします。

 僕の気持ちなんて誰にも理解されないだろうと思います(これは一応正解だから良い気もしますが)。

 最後ははっきりとした答えを出せなくなりました。

 どうしたら全部解決するのか分かりません。

 どこに助けを求めたらいいかも分かりません。

 そもそも自分が悪いのにどう助けを求めたらいいのか。

 考えると気持ち悪くなって仕方ないのです。

それなのに僕は

 罪悪感を手放して楽になりたい。

 そんな事を考えています。

 改めて一人ひとりと向き合って謝罪したい。だけど勇気が出ないし、相手に完璧に伝わる謝罪の言葉が浮かばない。もし面会する事を拒絶されたらと思うと怖くて仕方ない。

 そうやってうじうじしては、「偽物の穏やかさ」に逃げているのです。

 罪は愛される事と赦される事でしか浄化されない。

 僕は赦されているのか。愛されているのか。向き合えないから何も分からない。

 誰か僕の話を聞いてくれ、答えを教えてくれ。

 心を病んだ地獄の亡者は、奈落の底でそう嘆くばかりです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?