バラバラのマイゴたち

私はポピパのファンだ。バンドの、音楽の、何にも代えられないキラキラが詰まってるから、青春が詰まってるから。みんながみんなを大切にしていて、あの時期にしかないときめきを共有してくれるバンドだから。
仲良しで、全力で楽しいを表現してくれるポピパ。

仲間というか、バンドは運命共同体。どんなに一緒にやりたいねって話をしても、楽器が被ってしまえばどちらかは用無しになるわけだし、何ができるか、何をやりたいか、いろいろな要件が重なってやっとひとつバンドが生まれる。

マイゴは私の大好きなポピパの対極にいる。みんなバラバラで、最終話で仲良しになれたわけじゃない。全員勝手だし、自己中だし、滅茶苦茶だし。ただ、ポピパで感じる青春を何故かマイゴにも感じてしまう。
足並みが揃わない5人のただ唯一の共通点がもがいていること。「迷子でも進め」はMyGO!!!!!のアニメの台詞としてあまりにも正解で痺れる。

マイゴは愛音が始めたバンドだけれど、バンドの5分の3が元バンド仲間というのはなかなかキツい。CRYCHICはCRYCHICで仲良しこよしのバンドとは言えないけど、少なくとも一度はライブを完成させた成功体験を共有しているわけで。最終話を経ても、愛音が(というかそれぞれ全員)、完全に溶け込んでバンドに合流することができているようには見えない。会話が無い分思い出を共有することくらいしかないのに、バンドとして過ごした時間が明らかに違うものだから、この穴は一生埋められないんだろうな、と薄々感じてしまう絶望感。愛音は愛音のペースで好き勝手マイゴの中を生きているけど、そもそも波長が合ってないよね、そよと愛音なんて特にマイゴでたまたま一緒だから、以外の理由で絡む世界線無いような二人だもんね。

こんなにもバラバラのマイゴが、こんなにもグッとくるのは、バラバラなくせに、燈の歌ううたで、マイゴというライブの時間においてのみ共鳴し合っているからだと思う。MOROHAばりの燈の熱語りにメンバーが楽器で合流するシーンで、やっぱりマイゴは5人のバンドなんだと思い知らされた。私の大好きな、仲が良いとか楽しいとかの要素は何一つ無いんだけど、楽しいだけじゃない吸引力がある。プライベートがバラバラだからこそ、バンドを音楽を通じて結びつくあのライブの瞬間に唯一無二のキラキラを感じるのかもしれない。

プライベートのマイゴたちが仲良しになる未来は今は全く、なんならこれからも全く見えないんじゃないかと思うんだけど、燈の歌詞を中心に5人が永遠に進み続けてくれたらいいなって心から思う。それがマイゴのバンドの在り方なら、きっとそれが正解だし、歌でのみ結びつくバンドもあっていいよね。

ポピパのキラキラが苦しくなって、バンドリには3年全く触れてなかったけど、今回MyGO!!!!!を観始めて良かった。本編はずっとなんとなくしんどいんだけど、確実に心は動いてたし、私の何も面白くない人生も前を向いて進むやる気をもらった。
バンドリはやっぱり私の青春だった。ありがとう。

ライターになりたい未来