御斎。斎食。精進料理。

お坊さんの食事時間、お斎について

サンスクリット日本書紀修行

食事は一日三回。何となくそんな「常識」がありますが、かつて日本は一日二食でした。
仏教僧侶に至っては一日一食、それも午前中だけという驚きの事実がありました。僧侶のも含め、部卿での食事は「お斎(おとき)」と言います。

お斎とは僧侶の食事

仏教には戒律が多いですが、その中に「午後は食べちゃ駄目」というのがありました。
昨今では戒律もゆるくなっているようですが、場所によっては厳しく時間の戒律を守ることがあります。「そんな厳しくしなくても」と思われるでしょうが、何より生きる為の糧となる食事に戒律を設けることは、戒律への意識を高める物です。
別名は斎食(さいじき)。食事の内容は生臭もの(肉や魚、卵など)を禁じてある為精進料理と呼ばれる野菜中心の物となります。
飛行機でも早めに出されるお斎

時代が移り変わればそれだけ仏教の内容も変化していきます。
しかし、変わらない部分もありました。現代では飛行機という移動手段がありますが、その中に僧侶だけが受けられるサービスがありました。
それは仏教大国、タイにおけるサービスです。200を超える戒律を守る為の規則が数多くある仏僧は、飛行機に乗ってもその戒律を守らなくてはなりません。お斎にしても同じです。フライトの時間によっては他の客よりも先に食事をとることだってあります。午後は保見もののサービスのみと、妙な所出戒律を徹底させているのです。


お坊さんの反省会、斎会


そんなお斎ですが、お坊さん同士の食事会も催されます。サンスクリット語ではウポーハダです。
この食事会を斎会(さいえ)と言い、『日本書紀』によれば584年に初めての斎会が開かれたとのことです。
この斎会、もちろん午前中に行いますが、只の親睦会ではなく反省会の意味合いもあります。出家僧が毎月15日と30日に集まって、ちゃんと戒律を守っているかどうかの報告会をするのです。
宮中での御斎会(みさいえ)と呼ばれる行事もありますが、この御斎会は五穀豊穣と国家の安寧を祈る儀式としての意味合いが強いです。
法事で出されるお斎

法要でもお斎は出されます。この場合のお斎は、参列者に対する感謝の気持ちとして振る舞われる物です。
お坊さんが席につかない場合もありますが、その時は「御膳料」として包んでお渡しします。

まとめ

時間だけでなく、内容や定期的な反省会などどこまでも戒律を守り、修行の姿勢を示す仏僧。
それを象徴するお斎はお坊さんたちの活力源となり、ありがたいお話を聞く元となっています。もともと「斎」という字、ウポーハダという言葉は「清浄」との意味です。
戒律を守って規則正しく生活をすれば、心持ちも清浄になっていくのかもしれません。