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人喰らう神々のこと I

「我々は何ものなのか、どこから来て、どこへ行こうとしているのか」

とはゴーギャンによる、画題を通じての問いかけであるが、ほんとうに謎である。気がついたらここに生きていた、という他ない。

神の限りない無条件の愛が人を生み育てた、と聞くこともあるが、腑に落ちる答えではない。

神とはそんなおひとよしなのか。神の限りない愛情を背景に人間が存在しているにしては、人間世界には不幸が多すぎないか。

天災とは、天が与えたもうた災禍と書く。聖書には、洪水を起こして地上の生物を絶滅に近い状態にまで追い込む神についての記述もある。

大量虐殺を行う神とはいったい何なのか。人権とは人がつくり上げた概念にすぎず、神に授けられたものでないことはわかった。

人類を生み育てることで、何らかの益があったのではないか、と考える方が納得しやすい。腑に落ちる。神はなにかを得るために人類をつくったのだと仮定したら、そのなにかとは何なのだろう。


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