わたしがわたしに縛られる
「男の人がこわいです。」
このひと言を伝えることもこわい。
中学3年生のとき、
学級崩壊していたクラスで
男子生徒複数人にいじめられた。
自分の人生のなかで、大きな分岐点となった。
このまま
生きていくか、死ぬべきか。
考えていた。
中学3年生のあの頃のわたしには
とても抱えきれない、
そんな言葉ばかりが
教室を飛び交っていた。
結局、死にたいなんて思わなかった。
生きていたくなかっただけだったから。
生きていけないかもしれないと思う度に
踏ん張って、大きくゆっくり息をしてきた。
卒業していじめが終わると、
わかりやすく人を疑うようになった。
避けるようになった。
とくに同年代の男の人がこわいと思うようになった。隣を並んで歩かれるだけで、呼吸が乱れた。具合が悪くなり、トイレの個室でしゃがんで「大丈夫、大丈夫」と落ち着かせた。
みんなの視線がこわい。その目から、色々な感情がこぼれ落ちてくるのが見えてしまいそうで、すごく、こわくなる。
昨日は久々に震えた。
どうにかして眠りにつきたい。
はやく忘れたいと思えば思うほど目がさえて、
ヘッドホンから聞こえる、穏やかなはずのクラシック曲がすごくうるさかった。
いじめられていたあの頃と同じくらいに苦しい夜だった。
わたしは正常なのか、汚れていないか、
何度も何度も確認する。
他人の前で、ちゃんと今日をにこやかに過ごせるだろうか。
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