賞レース?

見取り図を好きになってから、色んな「初めて」に出会った。
生で見る漫才、所属の劇場、吉本、NSC○○期、ライブでのゲームコーナー…今まで触れてこなかった事が多く、受け入れるのに時間がかかる事もあった。
中でも一番衝撃が大きかったのが「賞レース」である。

以前応援していたコンビはコント師で、賞レースとは無縁だと本人達も口にするほど縁が無かった。というよりも、コントを競う場が無かった、という方が正しいのか?しかし「無冠」であることに何の違和感もなく、面白さを証明する肩書がなくても十分面白かった。
そのコンビがキングオブコントの初回に出る事となり、初めて最初から最後まで賞レースを見届けた。しかしその採点方法に読んで字の如くドン引きしてしまい、失望し、落胆した。初めて行われるコントの賞レースであり、恐らく手探りの中作られた事は百も承知だが、血気盛んだった私には一刀両断する方法しか無かった。それから私の中で、コントの賞レースは存在しないものとして生きてきた。
後にキングオブコント2021に感動する日が訪れるのだが、またそれは別の機会にでも。

見取り図を応援し始めると、頻繁にM-1グランプリの名前を見聞きするようになった。そしてM-1グランプリ以外にも、関西には様々な賞が存在する事を知る。
上方漫才大賞。これも最近話題になっていた。
生まれてこの方関東圏でしか生活しておらず、この賞が一体どんな物か知る由もない私はお得意のWikipediaパイセンに問いかけた。
どうやら関西では歴史のある賞らしい。今回見取り図はそれの「奨励賞」候補に上がっていた。授賞式はテレビで放送されるようだが、当然のように関東では放送は無い。エリアフリー機能を使えばラジオでは聴けるらしいが、情景が見えない状態でどう楽しめるのかも分からず、ただただ発表の瞬間を待つことにした。
上方漫才大賞の公式Twitterは存在するものの、当日リアルタイムの発表などなく、ひたすら上方漫才大賞のハッシュタグを更新し続ける。

新人賞が選ばれ、いよいよ奨励賞…!
しかしあがったのは見取り図の名前ではなかった。
そうか、今年ではなかったのか…。
発表当時はそれほどのダメージは受けていなかったが、漫才への貢献度を審査されてると聞いて、それなら尚更悔しい結果になってしまったなと感じた。
一生漫才師として生きていくには、一つの評価として大事な賞であったのだとジワジワ実感してしまう。
こんな感覚は初めてだ。
自分が好きになった人や物に一切の後悔などないが、今まで広いと感じていた世界の隣にはもっともっと広い世界が無限に広がっていた。いくつになっても初めて知る世界は存在するんだと少し嬉しい気持ちにもなった。

今年、見取り図はどんな世界を見せてくれるのだろうか。
誰かに評価される嬉しさは勿論あるし、評価されるに値する姿勢と努力は誰よりもされている。
しかし何よりも、2人がいつまでも楽しく漫才が出来ればそれだけで良いと願ってしまう水曜日であった。

この記事が参加している募集

#推しの芸人

4,395件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?