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スライムヒーローズ・ノベライズ

Episode/001 「蒼の章 - 宿命」

「レディースアンドジェントルメン!今宵集まりし、スライムヒーロー達よ!今こそ勝利を目指して戦いたまえ!!!」

司会者の声が会場全体に響き渡る。壁が揺れる。会場が沸き立つ。溢れ狂う人々。まばゆいばかりの照明。音楽、歓声、拍手。
人々の熱気により、会場はサウナのように蒸し暑くなっている。

僕は今、この会場に立っている。大会に参戦するためにやってきた。汗が額を流れる。目のしばたたきが抑えられない。
どこかに迷い込んでしまった感覚を手に、会場を眺めながら茫然と立ち尽くしているのだ。

僕には相棒がいる「クロス」、この会場に連れて来たスライムだ。

バイオノロジー・ヒトゲノム・スライム、通称BHS。3型・家庭用アンドロイド、、、の、、はずだった。
そう、そのはずだったのだ、たった昨日までは。それがこんなことに、、、

「いくよ」
相棒がぶっきらぼうに声を放つ。目指すは参戦者用エントリーゲート。とりあえずゲートに向かって歩き始める。耳には音という音が投げ込まれてくる。ゲートに近づくにつれ人の数は減って来ている。今は、自分の鼓動だけにすがりながら突き進むことしかできない。

本当にこの世界、、、この場所に僕はいるのだろか?浮きすぎてしまった存在が、現実との解離を埋めることを拒否し続ける。

「128のトーナメント方式か。ベスト8には、4回勝てば入れるぞ」

そうだった、今日という日にはちゃんと目的が用意されていたのだった。今日こいつと一緒に戦う。正確には僕のお父さんの弟、おじさん。

ん?おじさん???スライム???家庭用アンドロイド???バイオノロジー・ヒトゲノム・スライム???


何を言ってるのか自分でもさっぱりだ、僕もまだわかっていない。でも確かなのが、こいつが僕のおじさんであるということだ。それが厳然たる事実ということなのだ。
おじさんは3歳の時に亡くなっている。そして、今スライムになって生きているというわけだ。


エントリーゲートをくぐると、たくさんの参戦者が思い思いに過ごしている。この大会の賞金1億ジュエルが目的だろう。
1億ジュエルあれば一生楽に暮らせる。そんな莫大な金額を求めて、みんな集まって来たのだ。
でも、僕の目的は、、、まだうまく飲み込めていない。その話をしよう。
なぜ、今日、この会場に来たのかと。それから全て始まるのだ。

時を戻そう。

2週間前の、2120年6月8日。それは突然始まったのだ。梅雨前の昼下がり、日中の気温が35度を超えたあの日に。。。

僕は、お父さんの部屋であいつを見つけたんだ・・・

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(Sub Episode)
シュゴー、、、シュゴー、、、シュゴー、、、。ボコボコ、ボコボコボコ。

ワタシは、、ダレだ、、、。ワタシは、、ナンダだ、、、。ここはドコダ、、、。手は?アシは?目は?カラダは?

どうなってイル?、、、ボコボコ、ボコボコボコボコボコ

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Episode/002 「蒼の章 - 誕生」

僕はお父さんの部屋にいた。6月の昼さがり、おそろしい暑さだ。どこもかしこも最高気温を更新している。

あれはどこにあった?

休みの日になると、お父さんはスライムボールを持ちだす。中にはスライムが入っている。家庭用スライム型アンドロイド「HomeSlime」。ロボットがまだ人型を形成する前の話だ。31世紀、人が粘液性液状細胞を自由に動かすことのできるロボットを生み出したのは最近の話だ。

ひとたび、スライムがボールから外に出れば、最高の遊び友達になった。スライムは、自由に形を変えられた。伸びたり、分離したり、跳ねたり。投げると破裂し、それはまた戻った。スライムは、透き通った青色をしていた。

AIチップが搭載されていて、質問すると答えてくれる。お決まりの形式的なコミュニケーションシステム。

お父さんは、スライムカンパニーで働いていた。この「HomeSlime」の発売元でもあり、この技術となるバイオロジー・ヒトゲノム・スライム、通称BHSの研究員だ。

今日は両親が出かけていて、誰も家にいない。急にそのスライムで遊びたくなった。スライムボールを探して、2階へとあがる。お父さんの部屋に入った。本の匂いだろうか、外から熱せられてくぐもった、生温い空気が僕を通過して部屋の外に流れていく。

「どこにあったっか・・・」

その時、わずかに視界の隅で何かが光る。そして声が聞こえる。声!?
「タスケテ・・・」

「誰かいるの?」
急な声に、すかさず反応を返す。怖い、気味が悪い。光に近づいてみる、そこにはスライムボールがあった。拾い上げ、部屋を見回してみるが、誰もいない。こいつが喋ったのか?光は次第に弱まり消えていく。

スライムボールを持って部屋を出ていこうとすると、突然スライムボールが震えだした。

「タスケテ・・・タスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテ」
「な、、、なんなんだよ!」
修復不可能に壊れた機械音のように反復し始める。音はどんどん大きくなる。けたたましいい、おぞましい、どうしろってのこれ?

「なんなんだよー!」僕は思いっきり、スライムボールを床に叩きつけた。

ボールは衝撃に対して大量の光で応えた。まぶしい光に目を閉じてしまう。次第に、ゆっくり目を開けていく。何かが見える。そこにいたのは、あれ?スライムだよな?

いつも遊んでいるスライムではなかった。十字型の形状をしている。深い青、そして白い目玉がギョロリと2つある。これは、一体、、、、そいつは、自分の形を変え始めた。○、□、△。そしてクルッと体を捻り、上にあがったかと思うと、また十字型の形に戻る。そしてこっちに振り向いた。

「やぁぁぁぁぁぁぁぁ」

そいつは、しゃべった。え?スライムはしゃべらない、これは一体どうなってるんだろうか?
「おまえしゃべれるのか?」

「ボクは、、、バイオノロジー・ヒトゲノム・スライム・3型。覚醒ドープしたんだ、だからしゃべることができる」

頭が混乱してくる。情報量の多さに脳の回線速度が間に合わない

「驚くのも無理ないかな、まだ、家庭用スライムしか見たことないでしょ。一体何から話そうか、、、よし、ちょっと待ってて。」

一体、どうなってんだろう、全てはこの暑さのせいだ。外が暑さのせいか心綺楼でゆがんできそ、いや、ゆがんでるはこの部屋か。

部屋ごとスライムが溶けていく、目の前が真っ白になる、どうやら、、、僕は異次元空間に連れていかれたようだ。

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(Sub Episode)
プシューーーーーーーーーーーーー。部屋のトビラが開き、ダレかが入ってくる。だれだ、ダレだ。

人影は、不気味な笑い声を発してきた。フォス。フォス。フォス。フォス。

目覚めたね?スライム ZERO。そう、お前はスライムZERO、世界で一番最初に誕生したスライムだよ。

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Episode/003 「蒼の章 - 物語」

まばゆい光につつまれる。手や足の輪郭がぼやけて消えていく。消える!?

光はどんどん強くなる。僕の体を光が完全に飲み込んだ時、真っ白い世界が現れた。そこには僕とスライムの2人がたっていた。

スライムは、○、△、□と形を変える。一体何が起きている?やがて、そいつは光速に変化しながら、叫んだ。

「コネクション完了!!!インターネットスライムサーバーへようこそ。ボクは、思念でインターネットとつながることができるんだ。そして君もその世界に引き込んだ。そんな機能があるなんて知らなかったでしょ?」

僕の知っている家庭用アンドロイドの域を超えている。一体、思念を飛ばし中の僕はどうなってるんだ?口をあんぐり空けて座り込んでいるのか?光の線がゆらゆら揺れる。これ、結構やばい状況よ。

「何から話そう、うーん、ボクは家庭用アンドロイドではない。というか元々ロボットですらなかったんだ。ボクはバイオロジー・ヒトゲノム・スライム。無機生物ではなく、有機生物なんだ。つまり生きている。脳がある、細胞がある、目がある、しゃべれる、悪口言われたらちゃんと傷つける。嬉しい悲しいハッピーラッキー。会話はAIセンサーを通して行われるんじゃなくて、ボク自身が会話できるんだよ。驚いた?」

「ロボットじゃないの?ん?生きている?」

「そう、ボクは生きている。君と同じだ。もっというと、すべての家庭用アンドロイドHomeSlimeは実は生きている。家庭用アンドロイドだなんて、政府と開発会社が仕組んだ嘘の情報なんだ。だって、怖いでしょ?スライムの生き物だなんて、そんなんじゃ普及しないよ。」

「生きているなら、君はなんなの?宇宙から来たってわけ?」

「それは違うね。ボクらは、元々人間だったんだ。君と同じように生きている人間だった。それがある日、スライムになったってわけ。」

「殺されたの?殺されてスライムにされた????」

そんな噂は確かにあった。スライムが急にわけわからないことをしゃべり出した。怖くなって開発元へ問い合わせところ、そのスライムは連行された。その時の家族は行方不明になった。そんなの怪談話のたぐいだ。お父さんも「馬鹿なニュースだ」と一蹴していた。お父さんは知っていた?

「ボクの場合はちょっと違う。ボクは君のおじさんなんだ、記憶がちゃんとある。僕は2289年、3歳の時に交通事故にあった、もう命は助からないだろうと思われていて、手の施しようもなかったんだ。そして、スライムになった。唯一損傷を免れた脳と基幹細胞の一部をスライムに移植したんだ、バイオロジー・ヒトゲノム・スライム誕生ってわけ。この時、実際は記憶といくつかの能力が封印された。すべてのホームスライムは、能力を制御されている。たまに壊れてしまい、一部の能力が発露するけど、稀なこと。」

ゴクリと唾をのみこむ。これはとんでもないホラーだ。真夏の怪奇現象が、僕に死のう死のうと言ってきている。

「いいかい、ボクは覚醒ドープしたんだ。君のお父さんがハーモニクスエンジンを会社から持ち出した。ハーモニクスエンジンは小さなチップで、スライムの能力を全開放できるんだ。ある音階が仕込まれていて、コアに接続するとスライムが覚醒する。それが今のボクってわけなんだ。」

「いつも遊んでいたスライムは覚醒前だった。冬眠中のロボットだ。それが目が覚めてベラベラしゃべる生き物になった。目玉もある。」

「そう。ここからは辛いけどありのままに話すね、君のお父さんはもうすぐ殺される。それを助けることはもうできない。でも、ボクと君は世界を救うことができる。そのためにはまず、3日後の大会「スライムヒーローズ」でベスト8に入らないといけない。ボクみたいな覚醒スライムがわんさか集まるその大会で。」

「世界を救う」なんで、この部屋に来ちゃったんだろ。夢なら早く冷めればいいのに。たまたま来たんだ、たまたま来て、たまたまヤバイやつに会った。そして、たまたま眠くなったら、この後寝る。

「あと3日、それじゃー始めようか?」

え???何を??

「トゥレィーーーーーーーー〜ニングだよ!もう時間がないんだ。この物語をここで終わらせてはいけない。」

みるみる白の世界の中に、闘技場の輪郭が現れる。石が土が風が緑が。全てがリアルと区別がつかない。これが本当にインターネットの世界なの?バーチャルりありてぃ。接続中の僕は、やっぱり口をあんぐり空けて座り込んでいるのだろうか・・・。

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(Sub Episode)
オマエはだれだ?幼い子供が近づいてきて、俺に笑いかけてくる。

お父ちゃん、お父ちゃん、生きているんだね?お父ちゃん。

お父ちゃん???俺はおまえのお父ちゃんなんかじゃないぞ。

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Episode/004 「蒼の章 - 特訓」

「大会について説明するね。大会にはボクと君が出る。相手も人間とスライム。2対2の対戦だ」

「僕も戦うの?」

「そう、具体的には、ボクを操作してキミが戦うんだ。だから特訓が必要。僕は覚醒ドープしているとはいえ、自分のコアから複雑な命令を長時間はできないんだ。3分。それ以上はショートする。まー、寝ちゃうんだけどね。そこでキミの出番だ。ボクのコアにシンクロしてもらう。これが戦闘モード。シンクロ中、キミは念じるだけで僕を操作できるんだ」

ワクワクしてきた。さっきまでのホラー話が今やバトルときた。しかもこのバーチャル空間でというわけだ。感情の起伏に耐えられないが、とにかくやろう、やってみようか。

「わかった、君にシンクロすればいいんだな。で、どうやってシンクロする?」

「簡単さ、僕に命じてくればいい。僕が許可したら、シンクロ成立。言葉はなんだっていいんだ」

「よし、じゃぁ、、、そうだな、、、つないでくれ」

一筋の光が脳を通過する、キュピィィィーーン。シンクロの合図か。

「動かしてみて」

「こうか?」

念じてると、スライムの右側がスルリと伸びてパンチを繰り出した。これは、すごい。続けて、体のあらゆる部位を試していく、パンチ、ジャンプ、キック、ヘッド。スライムに手があるのかは不明だが、意識すれば、スライムは思いのままに伸びたり縮んだりした。

「いい感じ、レッスン2。増殖。体を分離させ、すぐに細胞を固める。分割後すぐは、粘度が弱まるので、細胞の量を増やすことで分離が成立するるんだ。いわゆる、分身の術?早速やってみて」

難易度があがってきた。何度か分離させるが、分離した後細胞を増やせず溶けてしまう。分離と凝固がうまくいかない。
「なんかコツないの?」

「そうだね、分離してから凝固させるのが遅いんだよ。発想を逆にして、凝固させてから分離するイメージに変えてみては?」

そう念じた。するとスライムは奇妙なまでに2体に分かれた。そして4体、8体、16体、これ面白れ〜。
「レッスン3、今度は合体させてみて。」

スライムが今度は、16体から1体に合わさる。スライムが巨大化した!

「レッスン4、細胞の分解。小さくなるように念じてみて」

スライムはどんどん小さくなり、元々の個体の大きさになった。一定以上までいくと、それ以上は小さくならないようだ。

「いいね、それじゃー、戦ってみよう!!!」
バーチャル空間に歪みが生じる、光の粒子が集まってきた。3Dプリンターで
プラスチックを積み上げてフィギュアを作るように、それは下から上へと形になっていく。

「シャドウスライムだ、あいつを倒すよ」

そいつは、急にとびかかってきた。さっとスライムを横に動かして避ける。振り向くと、今度はすごい速さで、直線に突いてきた。僕はすぐさま、スライムを2体に分離させた。その隙間に敵を通す。
「うまいね」
そのまま、2体、4体、8体、16体と分離させていき、上方で1体にまとめていく。空中に巨大スライムができあがる。そのまま重力で下にドシーン。やったか?シャドウスライムは、粉々に弾けとび、そのまま消えていった。
「まずは一勝、このまま朝までやるよ!」

次々とシャドウスライムがでてきた。え?これ朝までやるの???なんで?

現実にちゃんと戻れるよね?

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(Sub Episode)

車椅子に乗せられて、外に出た。お父ちゃん、お外、気持ちいいよ。

ねぇ〜どんな感じ?生き返ったんだよ、お父ちゃんは生き返ったんだよ。

俺は、、、俺を、おもいっきり投げてくれないか?娘に死を懇願した。

俺を、殺してくれないか!!!!

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Episode/005 「蒼の章 - 奥義」

どれくらいの時間、こいつら「シャドウスライム」と戦っていただろうか。時間の感覚が麻痺してくる。腹も減らない、尿意もない。このバーチャール空間は特殊すぎる。不思議とバトルにも慣れてきた。

「1000勝!そろそろ次のステップにいくよ。レッスン5、粘投。体の一部を飛ばしてみよう。投げたい体の部位を瞬時に固めて一気に飛ばす。体から銃を撃つようなイメージで」

「こうかな?」僕は、スライムの右手を少し前に動かし、拳を握るように固めてそのまま前に突き出す。すると、体の一部が飛び出し、目の前に粘液が広がった。 

「よし!次は高速で動くシャドウスライムを撃ちまくって」
僕の周りを取り囲むように、シャドウスライムが地面から湧いてくる。1体、2体、3、4、5、6、・・・10・・・20・・・まだ増える。

疲れに緊張が覆いかぶさる。一斉にとびかかってくる得体のしれない化け物たち。右・左・前・後、とスライムの体を俊敏に動かしながら、粘液を飛ばしまくった。シャドウスライムはどんどん弾けていく。あっという間に全てのシャドウスライムが倒れた。

「いいよいいよ。だいぶ掴めてきたね。それじゃ、まだまだスキルを磨いていくよ!今日1日ですべてのスキルを叩き込む。」

レッスン6、粘射:大量の粘液を一度に飛ばす。
レッスン7、粘固:体を一時的に硬くし、敵の攻撃をガードする
レッスン8、粘跳:上に粘液を飛ばして上に大きくジャンプする
レッスン9、粘動:周りにばらまいた粘液に溶け込み、瞬時に移動する
レッスン10、粘爆:粘液を物凄い密度に固めて投げる、一定時間後に爆発レッスン11、粘伏:粘液の中に溶け込み、相手から姿を見えなくする

レッスン12、粘拡:移動たび、自分の粘液を地面に落としていく。

特訓では、ありとあらゆる動作を体に叩き込んでいった。徹底的に、覚えるまで何度も何度も、そうしてまた1日が経過した。タイムリミットはあと24時間、もう大会が始まる。何がなんでも急ピッチすぎるだろ。

「最後のレッスンだよ。レッスン13、スペシャルを覚えてもらう。とっておきの技なんだ。大量のエネルギーを消費するから、今日はもう一度しか打てない、その名はグランドクロス」

「ゴクリ・・・」いくらバーチャル空間であるとはいえ、体、脳、臓器、あらゆる器官が悲鳴を上げていることがわかる。心なしか、目がチカチカしてきた。

「体の全粘液細胞、それを一つ一つ活性化させるんだ。活性化した粘液は光出す。体が光ってきたら、いっきにスペシャルの名前を叫び、光った粘液をぶっ飛ばす!グランドクロス!そう叫ぶんだ!」

「よし!」身体中の1つ1つの細胞を研ぎ澄ませていく、光れ光れ光れ、、、そうだ、力よ、パワーよ。もっと集まれ。集まるんだ。もっともっともっともっともっと!

スライムの体が光り始めた。青白い光がゆっくり明滅していく。なんて綺麗なんだろう、体中の光が、今にも外に飛び出していきそうだ、インシピレーションが沸き起こる。目の前に十字架がみえてきた。いける、いけるぞぉぉぉ、これでもくらいやがれ!!!

「グランド・クロス!!!」ドドン!!

そう叫ぶと、一直線に光の粘液が飛び出た。それは大きな十字架を描た。そひて、そのまま目の前に粘液をぶちまけた。光は瞬間的に沸点まで到達し、悲鳴をあげるように光を強め、そのまま霧散していく。

前方に、巨大な十字架の形をした粘液が広がっていた。

「エクセレント!!」

そのまま、僕は地面に倒れていく。体がゆっくり消えていく、3日間。お父さんは?お母さんは?もう帰ってきているのだろうか?僕の体は、おしっこは漏らさずにいてくれたのだろうか?

そのままバーチャル空間がゆっくりと崩れていく、僕はどうやら現実世界に戻れるようだ。大会、誰が何のためにそんなことを。スライム、こんなスライムがうようよいるってのか?それに、この世界は一体どうなってしまうのだろうか?僕は、、、、ボクは、、、、

意識がゆっくり消えていった。

──────

(Sub Episode)

やめてーーーー!!!娘の叫び声が響き渡る。殺さないで!

何が?一体何が起きたんだ?俺はガラスケースから抜け出し、その体は100倍に膨れ上がっている。目の前に白い服を来た人間が倒れている

どうなった?

人がどんどん集まってくる。弾丸が飛んできて、体の一部が弾け飛ぶ。

そうか、そういうことか、意識が憎悪で膨れ上がる。

やってみるがいい、愚かな人間供よ!!!!

──────

Episode/006 「緋の章 - 覚醒」 ...執筆中





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