昔の夢しか見ない

私は夢を見るのがかなり好きだ。

仕事でメンタルを病んだ頃、現実逃避のために1日の殆どを眠ってやり過ごしていた。

丸一日も寝ていればそれはそれは浅い眠りになるようで、丸ごと夢の中へ引っ張りこまれてしまうような、妙に没入感の強い夢をいつも見ていた。

目が覚めても暫く朦朧としてしまうような感覚は、少し恐ろしいが癖になる。
サイゼリヤで赤ワインのデキャンタ(500mlのほう)を空けても得られないトリップ感を、いつも密かに楽しんでいた。

私が見るのは決まって昔の夢である。
大体実家か小学校にいる。
家族はみんな10年ほど前の若い姿で、同級生たちも同級生だったその当時の姿をしている。

しょっちゅう出てくるのは概ね決まったメンバーで
なぜか一番長く時間を過ごしていたであろう仲良しメンバーではなく
背の順が近かった女の子数人ばかりが登場する。

なぜなのでしょう。
たしかによく話してはいたけれど。

⚫よく出てくる人
母(10年前のすがた)
背の順が近かった女子
中高のクラスメイトの女子数人
中高のクラスメイトの男子(特定のひとり、たしかによく話はしたがそれだけの間柄)

⚫あまり出てこない人

父、兄弟
仲良しグループだった女子たち
大学時代の人間関係全般
昔のバイト先の人
職場の人(例の先輩だけはわりと出てくる)

大体が中高以前の人たちで、いま関わりの深いひとたちはあまり登場してこない。
私は自分の心理状態について考えるのが大好きなので(なんて暗い趣味なのか)、
夢占いを調べてみたりするのだが、大抵はよくわからない。

まあシンプルに過去大好き人間だからなのだと思う。
未来のことはわからなくて怖いけど、過去はもう確定していて何も怖くないからね!

これからの人生、どうなっていくかはまだ全くわからないが、歳をとるたびに未来は減っていき、どんどん過去の割合が増えていく、それだけは確実である。

過去大好き人間、大勝利!!!!!!

……と、言い聞かせて先日またひとつ歳をとった自分を励ましています。


ところで夢の話って、リアルではあまり好まれない。
私が中学生くらいの頃に

「なあその話長い!?オレ苦手なんだよ人の見た夢の話って…なんかわけわかんなくて」

というSKETDANCE(昔ジャンプで連載していた学園ギャグ漫画)のセリフを読んで以来、(たしかに……)と思って人に夢の話をすることはなくなったのだが

ネットでしても、おもろくはなかったね………………

夫は私によく夢の話をしてくるのだが、正直私は何も聞いていない。
話の抑揚と語尾だけでリアクションのしどころを判断し、てきとーーな相槌を打っているだけである。

夫もSKETDANCEは読んでいた気がするので
(わけわからん夢の話を何の疑いもなくできる関係性、得がたいな)
とだけ思う。

夫婦とは、夢の話ができる関係性のことである。



そう書くと夢があるね。



なんかわけわかんない話
おわり🍷🍷













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