Mozillaパブリック・ライセンス(MPL) バージョン2.0 日本語参考訳

これはMozilla Public License Version 2.0の非公式な日本語訳です。この翻訳はMozillaおよびその関連団体によって承認されたものではなく、いかなる第三者の確認も経ていません。本参考訳の利用によって発生した、いかなる結果の責任も負いません。法的に有効な原文は https://www.mozilla.org/en-US/MPL/2.0/ にあります。

1.定義

1.1.「貢献者」

対象ソフトウェアを作成、作成に貢献、または所有する、各個人または法人を意味します。

1.2.「貢献者バージョン」

他者の貢献物の組み合わせ、または貢献者によって使用された他者の貢献物と特定の貢献者の貢献物の組み合わせを意味します。

1.3.「貢献物」

特定の貢献者の対象ソフトウェアを意味します。

1.4.「対象ソフトウェア」

最初の貢献者が別記Aの通知を添付したソースコード形式、またはかかるソースコード形式の実行可能形式、またはかかるソースコード形式の変更物(いずれの場合においてもその一部を含みます)を意味します。

1.5.「副次的ライセンスと非互換」

次のいずれかを意味します。

a.最初の貢献者が別記Bに記載されている通知を対象ソフトウェアに添付したこと。

b.バージョン1.1以前のライセンスの条件の下で利用可能となった対象ソフトウェアが、副次的ライセンスの条件の下では利用できないこと。

1.6.「実行可能形式」

ソースコード形式以外のあらゆる形式の著作物を意味します。

1.7.「より大きな著作物」

対象ソフトウェアと他の素材(対象ソフトウェアではない別のファイル)を組み合わせた著作物を意味します。

1.8.「ライセンス」

この文書を意味します。

1.9.「ライセンス可能」

本ライセンスによって伝えられるすべての権利を、最初の許諾時でもその後でも、可能な限り最大限に許諾する権利を保有することを意味します。

1.10.「変更物」

次のいずれかを意味します。

a.対象ソフトウェアの内容の追加、削除、または変更の結果として生じるソースコード形式のファイル。

b.対象ソフトウェアを含むソースコード形式の新規ファイル。

1.11.貢献者の「特許請求の範囲」

本ライセンスの許諾がなければ貢献物または貢献者バージョンの作成、使用、売却、販売、製造委託、輸入、または移転によって侵害されるであろう、貢献者がライセンス可能な特許に基づく特許請求の範囲(方法、プロセス、および装置クレームを含みますが、これらに限定されません)を意味します。

1.12.「副次的ライセンス」

GNUジェネラル・パブリック・ ライセンス(GPL) バージョン2.0、GNUレッサー・ジェネラル・パブリック・ ライセンス(LGPL) バージョン2.1、GNUアフェロ・ジェネラル・パブリック・ ライセンス(AGPL) バージョン3.0、またはそれらのライセンスのそれ以降のバージョンのいずれかを意味します。

1.13.「ソースコード形式」

変更を加えるのに好ましい著作物の形式を意味します。

1.14.「あなた」

本ライセンスに基づいて権利を行使する個人または法人を意味します。法人の場合、「あなた」には、あなたを支配しているか、あなたによって支配されているか、またはあなたと共通の支配下にある法主体が含まれます。本定義において、「支配」とは(a)契約によるかどうかに関係なく、かかる法主体の指示または管理をもたらす直接的または間接的な力、または(b)かかる法主体の50%を超える発行済み株式の所有権または実質的支配権を意味します。

2.ライセンスの許諾と条件

2.1.許諾

各貢献者は、次の条件の下、あなたに世界的なロイヤルティフリーの非独占的ライセンスを許諾します。

a.かかる貢献者がライセンス可能な知的財産権(特許権または商標権以外)に基づき、その貢献物を変更することなくそのまま、または変更物として、またはより大きな著作物の一部として使用、複製、提供、変更、表示、実行、配布、およびその他の方法で利用すること、および

b.かかる貢献者の特許請求の範囲に基づき、その貢献物またはその貢献者バージョンのいずれかを作成、使用、売却、販売、製造委託、輸入、およびその他の方法で移転すること。

2.2.発効日

貢献物に関して第2.1節で許諾されたライセンスは、各貢献物に対して貢献者がかかる貢献物を最初に配布した日に有効になります。

2.3.許諾範囲の制限

この第2節で許諾されるライセンスは、本ライセンスに基づいて許諾される唯一の権利です。本ライセンスに基づく対象ソフトウェアの配布またはライセンス供与から、追加の権利またはライセンスが暗示されることはありません。上記の第2.1節(b)にかかわらず、下記の特許ライセンスは貢献者から許諾されません。

a:貢献者が対象ソフトウェアから削除したコードに関するもの、または

b.(i)あなたやその他の第三者による対象ソフトウェアの変更が原因の侵害に関するもの、または(ii)その貢献者の貢献物と他のソフトウェア(その貢献者の貢献者バージョンの一部を除く)との組み合わせが原因の侵害に関するもの、または

c.その貢献者の貢献物が存在しない場合に対象ソフトウェアによって侵害される特許請求の範囲に基づくもの。

本ライセンスは、貢献者の商標、役務商標、またはロゴのいかなる権利も許諾しません(第3.4節の通知要件に準拠するために必要な場合を除きます)。

2.4.後継ライセンス

あなたが本ライセンスの後継バージョン(第10.2節を参照)または副次的ライセンスの条件(第3.3節の条件で許可されている場合)に基づいて対象ソフトウェアを配布することを選択した場合、貢献者は追加の許諾を行いません。

2.5.表明

各貢献者は、その貢献物が貢献者によるオリジナルの作成物であると信じているか、または本ライセンスによって伝えられる貢献者の貢献物に権利を許諾する十分な権利を保有していることを表明します。

2.6.フェアユース

本ライセンスは、フェアユース、フェアディーリング、またはその他の同等の適用可能な著作権法に基づいてあなたが所有する権利を制限するものではありません。

2.7.条件

第3.1節、第3.2節、第3.3節、および第3.4節​​は、第2.1節で許諾されるライセンスの条件です。

3.責任

3.1.ソース形式の配布

対象ソフトウェアのソースコード形式での配布はすべて、あなたが作成した、またはあなたが提供した変更物を含め、本ライセンスの条件に準拠している必要があります。対象ソフトウェアのソースコード形式が本ライセンスの条件に準拠していること、および本ライセンスの複製を取得する方法を受領者に通知する必要があります。ソースコード形式の受領者の権利を変更または制限してはいけません。

3.2.実行可能形式の配布

対象ソフトウェアを実行可能形式で配布する場合、

a.かかる対象ソフトウェアは、第3.1節の説明通りに、ソースコード形式でも利用できるようにする必要があります。また、あなたは実行可能形式の受領者に対し、かかるソースコード形式の複製を合理的な手段(適宜かつ、受領者への配布コスト以下の料金であることを意味します)で取得する方法を通知する必要があります。

b.あなたは本ライセンスの条件に基づいてかかる実行可能形式を配布しても構いません。あるいは、その実行可能形式のライセンスが本ライセンスに基づくソースコード形式の受領者の権利を制限または変更しないことを条件として、異なる条件に基づいてサブライセンスしても構いません。

3.3.より大きな著作物の配布

対象ソフトウェアについて本ライセンスの要件にも従うことを条件として、あなたは自らが選択した条件に基づいて、より大きな著作物を作成および配布しても構いません。より大きな著作物が、対象ソフトウェアと1つ以上の副次的ライセンスによって管理される著作物の組み合わせであり、対象ソフトウェアが副次的ライセンスと非互換ではない場合、本ライセンスは、かかる副次的ライセンスの条件に基づいてかかる対象ソフトウェアを追加で配布することを許可します。そのより大きな著作物の受領者は、任意で、本ライセンスまたはその副次的ライセンスのいずれかの条件に基づいて、対象ソフトウェアを再配布しても構いません。

3.4.通知

既知の事実上の誤りを修正するために必要な範囲で変更する場合を除き、あなた対象ソフトウェアのソースコード形式に含まれるライセンス通知(著作権通知、特許通知、保証の否認、または責任の制限を含む)の内容を削除または変更してはいけません。

3.5.追加条件の適用

あなたは、対象ソフトウェアの1人以上の受領者に対して、保証、サポート、補償、または責任の義務を提供したり、それに対する料金を請求したりすることを選択しても構いません。ただし、あなたはこれを自らのためにのみこれを行うことができ、いかなる貢献者の代理人にもなれません。あなたは、かかる保証、サポート、補償、または責任の義務があなたのみによって提供されることを確実に明確にする必要があり、あなたが提供する保証、サポート、補償、または責任条項の結果としてかかる貢献者が被った不利益について、すべての貢献者へ補償することに同意するものとします。あなたは法域に固有の保証の免責事項および責任の制限を追加しても構いません。

4.法令または規制による遵守不能

法令、司法命令、または規制により、対象ソフトウェアの一部または全部に関して、あなたが本ライセンスの条件のいずれかに準拠することが不可能な場合、あなたは(a)最大限可能な範囲で本ライセンスの条件に準拠すること、そして(b)制限の内容とそれらが影響するコードについて説明する必要があります。かかる説明は、本ライセンスに基づく対象ソフトウェアのすべての配布物に含まれるテキストファイルに配置する必要があります。法令または規制によって禁止されている範囲を除き、かかる説明は、一般的なスキルのある受領者がそれを理解できるように十分に詳細でなければなりません。

5.終了

5.1.本ライセンスに基づいて許諾された権利は、あなたがその条件のいずれかに準拠しない場合、自動的に終了します。ただし、あなたが準拠した状態になった場合、本ライセンスに基づいて特定の貢献者から許諾された権利は、(a)かかる貢献者が明示的かつ最終的にあなたへの許諾を終了するまでの間は暫定的に回復され、(b)あなたが準拠してから60日以内に、かかる貢献者が何らかの合理的な手段であなたに不履行を通知しなかった場合は継続的に回復されます。加えて、かかる貢献者が何らかの合理的な手段であなたに不履行を通知し、あなたが本ライセンス不履行の通知をかかる貢献者から受け取ったのが初めてで、かつ通知を受け取ってから30日以内に準拠した場合、特定の貢献者からのあなたへの許諾は継続的に回復されます。

5.2.貢献者バージョンが直接または間接的に特許を侵害していると主張する特許侵害の申し立て(確認訴訟、反対請求、および交差請求を除く)を主張することにより、あなたが法主体に対する訴訟を提起した場合、本ライセンスの第2.1節に基づく対象ソフトウェアの貢献者による権利の許諾は終了します。

5.3.上記の第5.1節または第5.2節に基づく終了の場合、終了前に本ライセンスに基づいてあなたまたはあなたの配布者によって有効に許諾されたすべてのエンドユーザーライセンス契約(配布者および再販者を除く)は、終了後も存続します。

6.保証の否認

対象ソフトウェアは、本ライセンスに基づいて「現状のまま」提供され、明示的か黙示的か法定かを問わず、いかなる保証(対象ソフトウェアに欠陥がないこと、商品性、特定目的への適合性、または非侵害が含まれますが、これらに限定されません)もありません。対象ソフトウェアの品質および性能に関するすべてのリスクはあなたにあります。対象ソフトウェアが何らかの点で欠陥があることが判明した場合、(貢献者ではなく)あなたは必要なサービス、修理、または修正の費用を負担します。この保証の否認は、本ライセンスの重要な部分を構成します。この免責事項に基づく場合を除き、本ライセンスに基づき対象ソフトウェアの使用は許可されていません。

7.責任の制限

いかなる状況および法的理論の下でも、貢献者、または上記で許可された対象ソフトウェアを配布する者は、直接的、間接的、特別な、付随的、または重大な、あらゆる性質の損害(利益の損失、信用の喪失、作業の停止、コンピューターの故障や誤作動、その他のあらゆる商業的損害または損失が含まれますが、これらに限定されません)について、たとえかかる当事者がそのような損害の可能性について知らされていたとしても、不法行為(過失を含む)、契約、またはその他にかかわらず、責任を負いません。この責任の制限は、適用法がそうした制限を禁止する範囲において、かかる当事者の過失に起因する死亡または人身傷害の責任には適用されません。一部の法域では、偶発的または必然的な損害の免責または制限を認めていません。したがって、この免責および制限はあなたに適用されない場合があります。

8.訴訟

本ライセンスに関する訴訟は、被告の有する主たる事務所の所在地を管轄する裁判所でのみ提起することができ、かかる訴訟は、その抵触法の規定を参照せずに、その管轄区の法律に準拠するものとします。この節のいかなる規定も、当事者が交差請求または反対請求を行う資格を妨げるものではありません。

9.その他

本ライセンスは、本許諾契約の主題事項に関する完全な合意を表明します。本ライセンスのいずれかの規定が執行不能であると判断された場合、かかる規定は、執行可能にするために必要な範囲でのみ修正されるものとします。起草者に不利な形で契約上の文言が解釈されることを規定する法律または規制は、貢献者に不利な形で本ライセンスが解釈されることには適用されません。

10.ライセンスのバージョン

10.1.新バージョン

Mozilla財団(Mozilla Foundation)がライセンス管理者です。第10.3節で規定されている場合を除き、ライセンス管理者以外の誰も、本ライセンスを改定または新バージョンを公開する権利を有しません。各バージョンには、区別するバージョン番号が付与されます。

10.2.新バージョンの効力

あなたは、元々あなたが受領した対象ソフトウェアのライセンスのバージョンの条件に基づいて、あるいはライセンス管理者が発行した後継バージョンの条件に基づいて、対象ソフトウェアを配布しても構いません。

10.3.改定バージョン

本ライセンスに準拠していないソフトウェアを作成し、かかるソフトウェアの新たなライセンスを作成したい場合、ライセンスの名前を変更し、ライセンス管理者の名前への参照を削除することで、本ライセンスの改定バージョンを作成して使用しても構いません(ただし、そのように改定されたライセンスは本ライセンスとは異なることに注意してください)。

10.4.副次的ライセンスと非互換のソースコード形式の配布

本バージョンのライセンスの条件に基づいて副次的ライセンスと非互換なソースコード形式を配布することをあなたが選択した場合、本ライセンスの別記Bに記載されている通知を添付する必要があります。

別記A - ソースコード形式のライセンス通知

このソースコード形式はMozillaパブリック・ライセンス(MPL) バージョン2.0の条件に従っています。ライセンスの複製がこのファイルと共に配布されなかった場合は、https://mozilla.org/MPL/2.0/ で入手できます。

上記の通知を特定のファイルに入れることが不可能または望ましくない場合、受領者がそのような通知を探す可能性が高い場所(関連するディレクトリのLICENSEという名のファイルなど)に通知を含めても構いません。

また、著作権の所有に関する正確な通知を追加しても構いません。

別記B - 「副次的ライセンスと非互換」の通知

このソースコード形式はMozillaパブリック・ライセンス(MPL) バージョン2.0の定義に基づき「副次的ライセンスと非互換」です。