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【メンバー紹介】「視覚障がいのことを知ってほしい」永野友樹

障がいがあってもなくても楽しめるフェス「ミーツ・ザ・福祉」。大きな特徴のひとつは、尼崎市内外の市民が企画運営に関わっていること。みんなでアイデアを出し合いながら、イベントをつくっています。

今回紹介するのは、ながのっちの愛称で親しまれている、運営メンバーの永野友樹(ながの・ともき)さん。あん摩マッサージ指圧師として活躍する永野さんは、視覚障がいの当事者でもあります。どんな思いでミーツに関わっているのでしょうか。

 —— はじめに、ミーツに関わるようになったきっかけを教えてください。

尼崎で活動している友人から、ミーツの話を聞いたんです。そのとき、誰でも参加できるオープンミーティングという場があることを教えてもらって。「一緒に行きませんか?」と誘われたのが始まりですね。

それで、2019年8月のオープンミーティングに参加しました。誰でも来て良い雰囲気だったことが、僕の中で衝撃でしたね。福祉系のイベントって、その地域の人たちだけでつくるイメージがあったんですけど、ミーツは誰でも受け入れてくれる居場所のようなあたたかさを感じました。そこからミーツに関わり始めるようになりましたね。

—— そんな経緯があったんですね。今年はどんな企画に関わっているのですか?

障がいのある人もない人も一緒につくる市民参加型の新喜劇「ミーツ・ザ・新喜劇」に出演する予定です。新喜劇に関わりたいと思ったのは、もっといろんな人に視覚障がいのことを知ってほしいからですね。

視覚障がい者にどう接したら良いかわからないという人は、まだまだ多いと思うんですよね。「私が声をかけても良いのかな」「迷惑じゃないかな」と思う人もいます。

一方で、僕が街を歩いていると「大丈夫ですか?」「バスが来ましたよ」と声をかけてくれる方もいるんですね。そういうふうに気軽に接してくれる人が、ひとりでも増えたら良いな、と。

僕は視覚障がいについて話す講演活動もしていますが、講演よりもお笑いの方が障がいについて気軽に知ってもらえるように感じています。新喜劇を通して、視覚障がいについてもっと知ってもらえたら嬉しいです。

—— 新喜劇に参加する中で、印象的だったことはありますか?

新喜劇に出ているメンバーは、発達障がいのある子どもたちがいたり車いすユーザーがいたりと多様なんですよ。新喜劇に関わる中で、その人の知らない一面を知れるのは面白いです。それと、みんなでひとつの話をつくっていく達成感がありますね。

新喜劇は2019年から毎年出演しています。僕はお客さんの笑い声が聞こえてくると楽しくなって、アドリブで台本にないセリフを言ってしまうんですね。それで、要約筆記の方や手話通訳の方を困らせてしまうことがよくあります(笑)台本通りに話が進んだ方が良いのかもしれないですけど、何でもありなところが新喜劇の面白さでもあると思いますね。

—— ミーツでは新喜劇の他にも、いろんなステージパフォーマンスも楽しんでもらえるんですよね。

そうなんです。僕は去年に引き続きピアノの弾き語りをする予定です。演奏するときは、まず自分が楽しむことを大切にしています。僕が楽しんでいることがみなさんにもどんどん伝わっていったら良いですね。

人前で演奏するのは緊張するんですけど、演奏後に声をかけてくださる方がいるのが嬉しいです。例えば、保育士をしている方が声をかけてくれて、職場の保育園に僕を呼んでくれたことも。子どもたちの前で演奏したり、質問を受けたりしました。子どもたちがいろんな質問をしてくれたのが嬉しかったですね。

—— ミーツでそんな出会いがあったんですね。

今年は新喜劇やステージパフォーマンスの他に、「バリア探しゲーム」という企画にも関わっています。見えない・聞こえない・歩けない体験をしながら、簡単なミッションに挑戦するゲームです。見えない体験では、目隠しをした人と案内人がペアになって、会場内のドリンクを買いに行ってもらう予定です。当事者がどういうことに困るかを知れる企画ですね。

僕がバリア探しゲームに関わっているのは、視覚障がいのことを知ってほしい思いがあるからです。視覚障がい者には、僕みたいに全盲の方もいれば弱視の方もいます。みんなが同じように見えているわけではないこと、見え方は人によって違うことも知ってもらいたいですね。

—— 最後に、読者のみなさんへメッセージをお願いします!

ミーツで僕はいろんな企画に関わっていますが、それは僕自身が人と関わるのが好きだからですね。「楽しいやん!」と思ったことには関わっていくようにしています。人とつながっている感覚が持てたり、みんなでひとつのイベントをつくれたりするのが、ミーツの魅力です。普段福祉に関わっていない人も、当日は10分でも30分でもミーツの雰囲気を感じてもらえたら嬉しいです。ぜひ会場へ遊びに来てください!

—— ながのっち、ありがとうございました!

(文:小坂圭亮)

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ミーツ・ザ・福祉では、運営サポーターを大募集しています。障がいや福祉に関心がある、いろんな人と関わってみたい、尼崎で知り合いを増やしたい!など、参加動機はなんでもOK!気になる方は、ぜひこちらのボランティア申し込みフォームよりお問い合わせください。


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