滑走屋の感想
高橋大輔さんが新しく企画したアイスショー、滑走屋に行ってきました!
私は関西在住なので福岡で滑走屋をやると聞いた時は「うーーーん遠いな~」と思っていました笑
そこから一転「よし!!!行こう!!!」となったのはアンサンブルスケーターの発表があってから。
アンサンブルスケーターが豪華すぎる!
しかも高橋大輔さんの人選が、スケオタのツボを抑えてまして…。ブロックや西・東で話題の選手詰め合わせセットですやん…。
私は、三宅咲綺ちゃんと江川マリアちゃんを同時に見られることにウキウキしてチケット取りました笑
アイスショーに出演出来るのは国際大会で成績を取った一部のトップスケーターに限られることが多いですが(もちろん宣伝効果やある程度のショーのクオリティを担保する為に大事)、そうなるとオフシーズンにアイスショーにたくさん出るスケーターとそうでないスケーターに差が出てきてしまう。
国内で頑張るスケーターにもショーに出てたくさんの人に演技を見てもらえる場が一つできたのはとても嬉しいです。
昨年までの(浅田真央さんが座長をしていた)BEYONDツアーも、競技力とは違った視点でスケーターを集めていましたが、そういうアイスショーもこれからどんどん広がるとスケーターのキャリアもまた変わっていくんだろうな。
あと、チケットも安い価格帯!
九州でアイスショーは少ないですし、興味を持った人が気軽に行けるのを狙っての値段設定なんでしょうね。
これ、家族や友達を誘うハードルが下がるので非常にありがたい!(今回は遠征のため一人だったけど)
私はスタンドAを取りました。楽日14:30公演1枚。この選択はちょっとミステイクでしたが(後に語ります)。
もうひとつ、行く決め手となったのはアイスエクスプロージョン2023の評判が良かったこと。
普通のアイスショーはスケーター紹介→個人ナンバー披露→拍手の繰り返しで、間にグループナンバーがある形ですが、これはいい意味でも悪い意味でもプログラムが終わるごとに現実に戻るんですよね。
でもアイス・エクスプロージョンは演技途中にスケーターが登場し、前までの流れを受けて演技をするという演出になっていて、そこが見に行った人の間でとても好評だったので、私もそういうアイスショー見てみたい!と思ってました。
ようやっとここからが滑走屋レポです。
もうね、他のアイスショーにはないものばかりでした。思い出せる凄かった点を洗い出していきたいと思います。
①ずっと暗い
通常のショーはスポットライトがスケーターに当たるので、顔を見れば誰か分かります。
でも滑走屋は照明をスケーターに当てて明るくするのではなく、一筋の光をもたらしたり、リンクの上に模様を映し出したりと世界観を演出する方に重点を置いて使われており、スケーター個々の認識は完全に「オタク!君たちならわかるでしょ、頑張れ!」って感じでした。
で、これがスタンドA席だとどうなるか。顔が見えないのでスタイルとサイズ感と身体の動きで個々を認識しなければならない。めちゃくちゃ難しいです。
個人的にわかりやすかったのは目立つ位置にいる高橋大輔さん、踊りのキレが凄い村元哉中さん、友野一希さん、髪色で村上佳菜子さん、謎オーラを放つスタァこと大島光翔さん、岩野桃愛さん。もちろん他のスケーターも徐々に「あっもしかして…?」って感じで分かってきたのですが、確信は持てなかった方もちらほら。
衣装の違いがあるので、事前に確認してから見ても良かったな~とは思いました。それかもう1公演買うか、アリーナ席に座るか。
スタンドは群舞全体の動きを見て楽しむことに徹した方が良さそうです。(個は表現においてそこまで重要じゃないんだろうねきっと)
もちろんリンクが暗いからこその演出もあります。
照明は鋭く、音楽もクラブで流れてそうな感じで、フロアダンスっぽい振付。
フィギュアスケートはクラシックで優雅で~みたいなイメージを持っている方もまだ多くいらっしゃると思いますが、今回のアイスショーはそのイメージを言葉が悪いですがぶち壊してます。
それぞれの主張が凄くてカオスでエネルギーが混ざりあったような、そんな感じ。
このコンセプトのショーは高橋大輔だからこそできるんだろうな。
②ショー全体のスピード感
名前が滑走屋であることからも、スピード感ありそうなイメージありますが、実際に見て「なるほど、こりゃ滑走屋だわ」と納得しました。
グループナンバーではフォアクロスが多用され、爆走でスケーターが駆け抜けていきます。今更だけどスケートってあんなにスピード出るんですね。音楽の高まりも相まって会場のエネルギーが中心にどんどん集まって高揚していくのが気持ち良い。
で、この推進力の高まりが、その後山本草太さんのTeethに繋がっていくんですよ、いや~良い流れ。
草太くんはターンで加速しどんどんエネルギーを持って行くことのできるスケーターなので、見てて爽快でした。
あと個人的に印象に残っているのは、友野くんのHalston。
Halstonが始まる前には雨が降り、傘を持って佇むスケーターの姿が。それまでエネルギーや感情が高まりを見せていたのに、ここでふと緩むんですよね。そして、悲哀や孤独に繋がっていく。
個人的に友野くんの好きなところは音楽のフレーズをターンで表現できるところ。Halstonは全体的に静かな曲だけど友野くんの演技だとフレーズがより明確に見えてきてストーリーが進んでいくことをより実感できました。
村元哉中さんの個人ナンバーも凄かった。
純真でピュアで優雅なスケートのイメージとは真逆の、セクシーな振付。彼女はリンクではなくクラブハウスのフロアに居たのか?と錯覚するような。
でもこのショーのテーマであろうエネルギーとか感情の渦に凄くマッチする野性的な表現だった。生命力の爆発に圧倒される表現ってスケートでは普段見られないから新鮮でした。
こんな感じでノンストップで進むから高橋大輔さんのソロナンバーの時には「えっ、もう終わりじゃん」って驚きました。
高橋大輔さんは、もう群舞の時から一人ダンスのキレや表現が違って自然と目が行きました。
氷の上は滑るから、振付は流れが生まれやすいもののメリハリを付けるのは難しいはず。
だけど、身体の動かす・止めるをあそこまで明確に表現しているのを見て、やっぱトップスケーターは違うわ~~~となりました。そして、このレベルを求められる他のスケーター達は大変だろうなとも思いました笑
スピード感のある中に濃密に組み込まれたナンバーを一気に見たからこそ、1回で咀嚼するのは難しかったなぁ。
今回残念ながら見られなかったスケーターも含め、もう一度見たい。
というかこの新感覚をより多くの人に体験して頂きたい。ので、全国に広がるといいな~~~!
最後に。
私の見た公演での最後の挨拶では↓
滑走屋はブラック企業 by高橋大輔
いつ逃げ出そうかと… byスタァ
という言葉も出ていましたが、床ダンスが軸だし、個と集団を表現することへの苦労もあり、何よりタイトスケジュールだし、本当に大変だったんだろうなと思います。
それでも良いものを作ろうと懸命に努力してくれたスケーター及び関係者の皆さんに感謝です。
今回の評判を受けて全国に展開して、また見に行ける日が来ると良いな~~~と思います。
そして私は今回見るのに必死で動画を録れてないので、SNSで他の方がアップして下さった動画を今から見漁りにいきます。