高校生2名が福田 譲 様(富士通株式会社 執行役員 EVP CDXO,CIO)にインタビュー!!
こんにちは。認定NPO法人キッズドアです。
キッズドアはすべての子どもが夢や希望を持てる社会の実現を目指し、経済的な困難を抱える家庭の子どもたちへ生活や学習の支援を行う認定NPO法人です。
中学生・高校生が企業の経営者などにインタビューする企画「Dialogue of the future」の第15弾として、福田 譲 様(富士通株式会社 執行役員 EVP CDXO,CIO)にお話を伺いました!
応募者多数の中、抽選で選ばれた2名の高校生が、若者ならではの視点で素朴な質問をぶつけました。
※この記事は2024年6月時点のものです。
「やればできるんだ」「どんどん成長できるんだ」と思う機会は思っていたよりも多かった
——学生の頃に考えていたキャリアと現実のキャリアにはギャップはありましたか?(15歳女子)
正直に言うと、社会人として働くことに大きな期待をしていたわけではありませんでした。学生時代をとても楽しく過ごしていただけに、会社員として働くことに良いイメージを持つことはできなかったからです。
一方で、ぼんやりと自分の得意なことを仕事にして、人から感謝されたいとは思っていました。
そういった意味では、良いギャップを今は感じています。
ここまで自分の仕事が評価されて、お給料が上がり、大きな仕事を任せてもらえるとは思っていませんでした。
「やればできるんだ」「どんどん成長できるんだ」と思う機会は思っていたよりも多かったですね。
——生成AIをどのように業務に役立てていますか?(17歳女子)
例えば最近では、スピーチの原稿案やスピーチを行う際に気を付けることを生成AIに聞きました。
基本的には、高校生の皆さんと同じように生成AIを使っています。
富士通の従業員約12万人のなかでも、3万人から4万人の従業員が生成AIを使っています。
一番多い使い方は、生成AIとチャットで会話をしながらアイディアを教えてもらうことです。
あるいは作った資料のアップデートのためのアドバイスを聞いたり、英語のメールの要約を頼むこともしています。
会社としては、どんどん生成AIを活用したいと考えています。
リモートワークを定着させることができたことは、大きなDXの成功事例のひとつ
——富士通はどのようなAIを研究していますか?(15歳女子)
富士通では、海外の大きな企業と競合しないようなニッチな分野でのAIの研究開発を行っています。
富士通が強い領域としては、人の動きを理解するAIがあります。
例えば、体操競技の世界選手権の採点に使われています。
これは、国際体操連盟に採用され、2019年以降毎年開催される国際大会で使用されています。
そのほかにも人の視線が向いている方向をカウントすることや、商業施設で迷子を発見することなどにもAIが使われています。
——DX(デジタルトランスフォーメーション)を富士通に導入するうえで、良かった点はありますか?(17歳女子)
良かった点でいえば、コロナ禍をきっかけにリモートワークを定着させることができました。
一時期は、出社率をほぼゼロパーセントにして約12万人の社員が家やサテライトオフィスで勤務していました。
以前までは会社に来ることが前提とした業務が多かったのですが、現在では20%程度の社員が出社しており、大半の社員は家で業務を行っています。
また、「週○日以上出社しなくてはならない」という規則もないので、地元で仕事をすることや、単身赴任で仕事をしていた方が家族の元に帰るなど柔軟な働き方ができます。
コロナ禍が収まると同時に、以前の働き方に戻る企業も少なくないなかで、リモートワークを定着させることができたことは、大きなDXの成功事例のひとつになると思います。
テクノロジーを活用して色々な業種の人が環境へ良い取り組みをできるようにする
——会社としてどんな環境への配慮や、取り組みを行っていますか?(17歳女子)
身近なところで例をあげると、再生可能エネルギーを積極的に利用することや、富士通製のパソコンの梱包材を工夫してゴミを出さないような取り組みなどをしています。
一方で富士通として一番貢献したいと思っていることは、テクノロジーを活用して色々な業種の人が環境へ良い取り組みをできるようにすることだと思っています。
例えば、二酸化炭素の排出をどの部署が、どういった理由で、どのぐらいの量を排出しているか可視化できるようなシステムを作ることをしています。
また、量子コンピューターを活用して、荷物を運ぶときにトラックのドライバーに二酸化炭素の排出を抑える効率的なルートを提示するような仕組みを作ることなどもしています。
——福田さんが仕事をするときに大切にしていることはなんですか?(15歳女子)
大切にしていることは3つあります。
ひとつめは、「誤魔化さないこと」です。
トップとして、部下たちが迷わないように物事の白黒をつけてグレーにしないように気を付けています。
ふたつめは、「公平であること」です。
「誰が言ったかではなく、何を言ったか」を大切にして、常にフェアであることを心がけています。
最後に、「スピードを重視すること」です。
迷ったときに立ち止まってしまうことが、状況を悪くしてしまう場合があります。まずは、決めて進んでみる。そしてダメだったときにはもう一度戻ればいい。
そういったスピード感を大切にしてます。