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高校生2名が橘 正喜 様(三井住友ファイナンス&リース株式会社 代表取締役社長)にインタビュー!!

こんにちは。認定NPO法人キッズドアです。

キッズドアはすべての子どもが夢や希望を持てる社会の実現を目指し、経済的な困難を抱える家庭の子どもたちへ生活や学習の支援を行う認定NPO法人です。

中学生・高校生が企業の経営者などにインタビューする企画「Dialogue of the future」の第8弾として、橘 正喜 様(三井住友ファイナンス&リース株式会社 代表取締役社長)にお話を伺いました!

応募者多数の中、抽選で選ばれた2名の高校生が、若者ならではの視点で素朴な質問をぶつけました。
※この記事は2024年2月時点のものです。


日々のルーティン以外に何ができるかを考えている

——三井住友ファイナンス&リース株式会社とはどんな会社ですか?
      「リース」とは何ですか?(16歳女子)

三井住友ファイナンス&リース株式会社はリースの会社です。
「リース」という言葉はあまり聞きなれないかもしれませんね。

例えばモノを作ろうとしたときには、機械などの設備が必要ですよね。
お金があればその機械を買えばいいのですが、お金がない場合はどうすればいいのか。

銀行からお金を借りる方法もありますが、「リース」という方法ではリース会社が代わりに機械などを購入して、その機械を使いたい人に貸し出しているのです。

機械などの設備を持つことが大切なのではなく、その機械を使って新しい価値を生み出すことが大切だという観点からリースはスタートしました。

そのリースが、日本で誕生してから60年。現在、三井住友ファイナンス&リース株式会社は、8兆円を超える営業資産を持ち、傘下に世界で2番目の航空機のリース会社を所有しています

——企業のトップとしてどんなことを心掛けていますか?(18歳女子)

社長という立場はなかなか時間に余裕を持つことが難しいです。会議や打ち合わせ、定期的にお客様にお会いをしていると、あっという間に1日が終わってしまいます。

さらに予期せぬ出来事に対応していると、なかなか時間に余裕が持てません。

しかし、日々のルーティンをこなすだけで終わらず、「本当に社長としての仕事をしているのか」ということを絶えず自問自答しています。

私が心がけていることの一つは“社長”という肩書きを社外に向けて使う事。社長だから会えるお客さまや入ってくる情報があります。それをどのように会社に役立てて、貢献できるかということです。

二つ目は会議や打ち合わせだけではなく、若手社員との交流や研修で話をするなど、ルーティン以外に何ができるかを日々考えています。

また最後に決断をするのは私(社長)なので、いかにチャレンジをして決断していくかということも大切です。

約2年前にロシアがウクライナ侵攻した際には、ロシアの航空会社にリースをしていた航空機が返還されないという事態が発生しました。一方、そんな状況下、同業の航空機リース会社の買収を決定しました。

危機的な状況の中で難しい決断を行った結果、航空需要はコロナ以前のレベルまで回復し、ロシアの航空機の掛けていた保険金の受領もあって、現在、傘下の航空機リース会社は最高益を記録しています。

その決断には私自身がこれまでに培った経験を活かすことができたかなと思っています。

部下を育てることにやりがいを感じ、またそれが今の生きがいになっている

——どんなところに仕事のやりがいを感じますか?(16歳女子)

大学生の時、ある授業で教授が「人間が生命の頂点に立つことができたのは『人や社会の役に立ちたい』という気持ちがあったからだ」と話していたことが今でも忘れることができません。

社会人になってから私の一番のやりがいは、お客様の「ありがとう」という言葉です。

さらに部下ができるような立場になると、その部下から5年後10年後に「あの時育てていただきました」と言ってもらえることが最大の喜びになりました。

私は管理職研修などでは、「5年後10年後に『あなたに鍛えられました、成長できました』と話してくれる部下が何名いるかが管理職としての通知表ですよ」と話しています。

もちろん収益や業績をあげることは企業として大切なことですが、部下を育てることも私はとても大切にしているし、それが今の生きがいにつながっています。

自分の個性を大事にして、さらに違いを認め合うような社会を作って欲しい

——高校生に向けてメッセージをお願いします(18歳女子)

まずは、多様性を受け入れて個性を伸ばして欲しいなと思っています。

世の中がどんどん変化し、上意下達で言われた通りにやるだけでは企業としても通用しなくなっていきます。

そんな中で皆さんには、自分の個性を押し込めるのではなく大事にして、さらに違いを認め合うような社会を作って欲しいと思います

さらにもう1つ若者の皆さんに期待することがあります。

「失われた30年」ということが言われていてバブル崩壊から日本の経済が伸び悩む時期が続きました。

しかし、昨年ごろから賃金や企業の設備投資などが30年ぶりの水準に戻ってきたとニュースでも報じられています。
そういった意味では30年前に世界のトップを走っていた頃の水準に日本が戻りつつあるのかな、と思っています。

このように潮目が良くなっている今、企業のトップとして会社を成長させ、賃金を上げて従業員に還元する、分配を増やすという良い循環を作ることが経営者としての最大の責務だと思っています。

そして若者のみなさんは世界のトップであった昔の日本を忘れることなく、高い志を持って物事に取り組んで欲しいと思っています。

生徒感想

お土産にお菓子をいただきました

貴重なお時間をいただきありがとうございました。
お客様や社員の方々など人の役に立つことを第一に考える橘様の素敵なお人柄が感じられるインタビューでした。

国際情勢によって企業に困難が訪れたとしても、社長として大きな決断を下しながらチャレンジしていく素晴らしい姿勢に心が動かされました。

移動中に仰っていた「幸運の女神には前髪しかない」という言葉のように、今後現れるチャンスを確実に掴んでいきたいと思います。

このような貴重な機会を設けてくださり、本当にありがとうございます。
(18歳 女子)

この度、橘正喜さんに取材をさせて頂いて私にとってとても貴重な機会になりました。
取材をする前には建物の設備などに圧倒され緊張しましたが、取材中の雰囲気はとても暖かくてとても楽しかったです。

橘さんは社長ながらにもとても気さくな方で、三井住友ファイナンス&リースのことを高校生の私たちにも分かりやすく説明していただきました。

その他の質問にも橘さん自身のエピソードを交えながら真剣に答えていただき、とても嬉しく思いました。
(16歳 女子)