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リサとハリー(ブラッシュアップ版)

中高生時代からその才能を買われ、
卒業と同時にファッションブランドお抱えの
デザイナーになったリサは、
幼い年齢にそぐわぬ豪華な暮らしを大人に囲まれながらしていた。
しかしそのような日々は長くは続かず、
周りから「昔の学生時代のようなデザインを描いて欲しい」
と言われるようになりだす。
当時の10代ならではの、精神の不安定さからくる、
繊細な表現からリサは歳を重ねるごとに離れていってしまっていたのだ。

リサは自分の若さが失われていき、
服のデザインが書けなくなることを恐れ
安心感を求めて酒に溺れていってしまった。

ある日、かつての自分のような若い才能がアトリエに迎えられ
トップデザイナーに「あぁはなるなよ笑」と影でリサを
馬鹿にしている場面に遭遇してしまう。

自暴自棄になったリサは、
「あんたもいずれこっちに来るんだから!」と吐き捨て、
酒瓶を片手に地元の者が祟りを恐れて近づかない山に
の中に入っていく。

あてもなくどんどん森の奥に
入っていってしまうリサ。
自分の輝かしい過去のフラッシュバックに
苦しみながらどんどん酒を浴びるように呑んでいく。

最後に一気飲みして、ハッと気づくと目の前に
おどろおどろしい屋敷の前に立っていることに気づく。

窓をひっそりと覗くと、
食卓に人影があることに気づく、
よく見てみるとそれは不気味な人形だと気づき
その不気味さに一瞬驚くも酔っ払いなので、
「なぁに、あぇ〜」見たいな感じ。

そこに近づく足跡、
「みんなお待たせ〜」と当たり前のように
ドアをあけ、
人形に話しかける針頭の女性(ハリー)登場。

(最後のコマにハリーをドンと出して、
四ページ終了)

(出会いどうしようか、
なんて言ってハリーとリサに
ファーストコンタクトを取らせるのかまだ考え中。
「お待たせぇじゃないれひょうがぁぁ」って怒鳴り込むとか、
リサのアル中っぽい厄介な感じが出るかな。)

酔っ払いならではの
後先の考えなさ、怖いもんのなさで、
ハリーに絡む。
ハリーはずっと待っていた待望の人であるリサ(それまでは人形で代わりをしていた)
が現れて警戒しつつも迎え入れる(これだと弱いかなぁ)

次の日から、リサは仕事を休み(18歳そこそこの子にあんなこと
いってそりゃ行きにくい)
ハリーと数ヶ月一緒に
過ごすことにする。

でも理由はなんだろう、寂しそうなハリーが自分に
重なって可哀想になったからもあるけど、
ハリーがすごい沢山の果実酒を漬けていたからとかも
ありかな。

それの二つの理由でもいいか。
だってどうしようもないアル中なんだもん。

都会に住んでいた頃は日々お金はあるけど、
時間はないので外食ばかりで、
ハリーが料理だけでもなく、
お茶碗から手作りしている、
ある意味原始的な生活に驚く。

しかし、
ある欠点に気づく、
それは茶碗に持ち手がないことだ、
リサは当たり前のように
「ここは持ち手がある方がいいよ、熱いものなんか
運ぶ時も楽だし」と当たり前のことを伝える。

それに感動し、
「すごい!すごいよ!!リサ!!天才だよ!!」
と褒めちぎるハリー
そんなハリーの姿を見て、
すごく嬉しくなると同時に、
「天才……」と悲しそうな顔をする。

あの時は、自分が本当に天才だったと
信じ込めてたなぁと思いだす。

「でももういいの!ここでハリーと一緒に
生活する方が幸せだもん!!」と笑うリサ。
いつも大切に持ち歩いていた、古い雑誌をゴミ箱に投げ捨てる。
そのまま眠りについてしまうリサ、
それをゴミ箱から拾い上げるハリー。

それはかつての新星と呼ばれた頃のファッションデザイナーとしての
リサの特集が組まれている雑誌だった。

リサがかつて、
デザインした衣装の美しさ、
そしてかつては自作のモデルを勤めていたリサの
美しさに、感動するハリー。

次の日から、リサに
簡単な裁縫の仕方を習い、
二人で簡単な服を作ったりしだす。
リサにとっては過去を思い出す嫌な作業だったけど、
ハリーとやっていくうちに
「そうえばあの頃はこんなに楽しかったんだ!」と思い出す。
ハリーのことを愛おしいと感じる。

自分なんかと過ごしてくれるリサのために
隠れて服を作り始めるハリー。
もちろん大した、材料はなく、
自然の染料を使い一から染色をしたり、
自分の髪を使いリサのためのドレスを作る。

穏やかに日々を慎ましく過ごしている二人、

ドレスが完成したハリーは、照れながらも、
「いつもありがとう!!」と無邪気な顔でリサにドレスを見せる。


しかし、そのドレスを見た、
リサは一瞬表情を曇らせ、
その後「本当に嬉しい……」と
ハリーに抱きつく。
ハリーは喜び、見えぬ裏でリサは
真顔になっていた。

一瞬表情を曇らせた際に思ったことは、
リサは「このドレスをデザイン事務所に持っていけば、
私は確実に返り咲ける……」と
忘れかけていた俗世への欲望を思い出してしまう。

まさに浄化されかけていた心が、
ハリーの純粋な感謝の気持ちで、
戻ってしまったのだ。

ハリーの純粋な気持ちの篭った、
ドレスを見て、リサは残酷なほどに
昔の承認欲求を思い出し、
それと同時にそのハリーの才能に嫉妬を感じ出してしまう。

次の日、デザイン事務所に
ハリーのドレスを持ち戻ってしまうリサ。
もちろんハリーの存在を隠すためにも
自分が作ったと嘘を話す。

今まで、冷遇してきた、
トップデザイナーが手のひらを返し、
「やっぱり、リサは天才だと信じてたんだ!」
ハリーのドレスをベタ褒めするトップデザイナー。
リサはその爽快感の虜になってしまう。

「馬鹿な男でもここに戻ってきてしまう私も同じか」とポツリ。

リサはハリー屋敷に帰る
リサはアルコールを呑まずに上機嫌で
「ハリーあんたのおかげで私さいっこうの気分よ!大好き!!」
とハリーに抱きつく。
スキンシップに慣れていない、
ハリーは、童貞男子のごとくドキマギして固まってしまうも、
嬉しそうに話すリサのすがたを見て、
「リサはハリーが服を作ると嬉しいの??」
と聞く。「あったりまじゃーん!!」と嬉しそうなリサ。

その姿を見て、ハリーはリサのために服をさらに作り出す。
リサ名義のハリーの服は、
脅威の速度で人気になっていき、
リサはまた承認欲求の海に戻ってしまう。
リサはハリーに服を作らせ、ハリーもそれが喜びだった。
リサに信じて求められる喜びこそが、
どんな疲れも感じなくさせた。

リサは日々ハリーの服をより人気にさせるため、
営業活動として投資家や、トップデザイナーが集う、
パーティーにも良く参加するようになっていった。
必然的にリサとハリーの過ごす時間は減っていた。

しかしそんな日々は長くは続かない。

ある日、いつも通りパーティに出席するからリサ、
周りの様子がどこか余所余所しい、
同じくトップデザイナーの女性に話しかけるも、
こっそり、
「もしかして新聞読んでないの?」と聞かれ、

「今日はファッションショーの準備で徹夜しててたわ!
でも一体なんだろう、また新しく賞をもらえるのかしら」
とウキウキで、
新聞を見て見出しに驚く、
「世界的トップデザイナーリサ多数の盗作疑惑発覚」
何これとたじろくリサ。

みんなが自分を疑ってる、
姿を見て、必死に取り繕うとするも、
ハリーに全て作らせているため、
話せばなすほど、ボロが出てきてしまう。

居た堪れなくなって、
パーティ会場を後にするリサ。

ハリーの屋敷に帰り、
一人作業をするハリーに
「今日は盗作だのなんだの散々言われて最悪の気分だわ、
妬みね!!」と
愚痴をこぼすリサ。

キョトンとした顔で
「盗作ってなに?」と聞くハリー

「な、なにってあんた」と笑いながらも
表情に影が落ちるリサ。

ふと床を見渡すと、
開いたファッション雑誌が
大量に落ちていた。

「あんた、まさか
ここに載ってるものの真似して作ったなんてないよね
ねぇハリー??」
不安なリサの表情とは真逆に

「うん!人気になってリサ嬉しい?」と
純粋な笑顔をリサに向けるハリー

そのあまりに純粋無垢なハリーの表情を見て、
リサは固まってしまう。
一瞬「ありえない!!」と責め立てるも
さらにキョトンとするハリー
「なんで喜んでくれないのか、
最近のリサはわからない」と
ポツリとハリー

その顔を見て、
「自分は本当は気付いてた、
ハリーを利用して、途中から道具としてしか見てなかった」
と思いそれ以上はなにも言わなかった。

リサの盗作疑惑は
芋づる式に出ていった。
メディアは連日それに釘付けだった。

リサはハリーの屋敷に篭り事が収まるのを
まった。
そんなリサの姿を見てハリーは、
嬉しくなった。これで、リサと一緒にいられる。
どんなに売れることより、
ハリーにとっての喜びは、
リサと一緒に過ごすこと。

そんな願いの叶ったハリーはどんな時よりも一番無邪気に笑った。
二人は静かに、隠れるように暮らしていった。

おわりん

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